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「2045」 Blender Animation

学部3年の春休みにサークルの活動でBlenderの動画を制作しました。

動画だけだと分かりづらかったり、動画ではきちんと描けなかった裏設定などを解説する記事です。


用語別の設定

物体系

「魂」

死人の記憶、感情などのデータが詰まったキューブ型の物体。

「人形」

元の形は均一だが、魂が入ることによって、目が作られ、体の前に名前が表示される。

声を出さなくても意思疎通ができる能力がついているので、言語の壁はない。感覚はあるが、痛みの上限が設定されているので、タンスに小指をぶつける程度しか痛くない。

管理者は人形を介して、住民の記憶のコントロール、人形の動きの制限、人形の位置情報の確認ができる。

「Rebornの穴」

この穴に入ると、魂が取り出され、データの一部が、現世の赤ん坊に埋め込まれる。たまにバグで記憶のほとんどが送られる事がある。神いわく「今の所は、人間限定に書き込まれるが、今後はアンドロイドに書き込まれることもあるかも」だそうです。

場所系

「死後の世界」

神が作った場所。

地球で生物が死ぬと記憶、感情などがコピーされ運ばれる仕組み。あくまでコピーなので、人の宗教で思い描かれているような、現世で死んだ人が実際に行く所ではない。どちらかというと、クローンを集めて作った神の施設のようなもの。

死後の世界に運ぶ生物の判断基準を高い知能に設定していたら、その基準に当てはまるロボットが2045年に生まれ、バグで死後の世界に運ばれてしまった。ただ、神は「人より知能があるなら、ロボットも死後の世界にいてもいんじゃね?」と思っているので、特にバグを直そうとはしていない。

たまに神が遊びに来る。

「裁判所」

死者がheaven天国に行くか、hell地獄に行くかの判断が下される場所。

人間の今までの判例を元に、神が作った判断機械が判断を下し、それがjuedgeに伝えられる仕組み。

両手を挙げることがトリガーで、その後judgeに判決が転送される。分かりやすいように壁にもマークが現れる。

  • ○>heaven

  • ☓>hell

  • △>Android(ロボット)

「heaven」

感情が管理者によってコントロールされているので、とてもハッピーな世界。

その人に関係ある人の魂のコピーが集められているので、一人ひとりに与えられる街は別物。自分の家が決まってはいるが、外に出て天国にいる他の住人に会いに行くことができる。移動には車を使える。

今回は登場しなかったが、hellのようにRebornの穴が奥にある。

主人公が本来行くところではなかったので、主人公が行ったheavenとhellは、裁判所で主人公より前に判決を受けた人の世界。

「hell」

作りは基本的にはheavenと同じだが、外にいるhunterに見つかると家に戻されるので、基本的に行動範囲が家の中だけ。

外に出ても、会えるのは地獄にいる人だけなので、Rebornの穴に早いとこ入って、来世に行きたい人が多い。Rebornの穴の位置は罪が重ければ重いほど家から遠くなる。

「Android (場所)」

人間のheavenと同じくらいハッピーなところ。

Android 001番が予想より早く壊れてしまったため、神がAndroid(場所)を作るのと、管理者たちに連絡が行くのが遅れた模様。主人公がRebornの穴に入る直前に連絡が行き、Android(場所)も完成した。

神いわく「Androidは、人に目的を持って作られた可哀想な存在なので、hellのように罰する場は今の所は作らないつもり。ターミネーターレベルになったら、考える」だそうです。

キャラクター系

「神」

動画には登場していないが、宇宙を作った生物。

むかーしむかし、神が宇宙を作った。そしたら、勝手に人とかが生まれた。なので、宗教的な神というよりは、エイリアンのようなイメージ。

宇宙の生物に擬態して、様々な文化を体験するのが趣味。

地球の人間の文化に、死後の世界という概念があることを知ったので、試しに作ってみた優しいやつ。

「Android(ロボット)」

人に作られた人形のロボット。

この話は2045年の設定。この年に人間の知能を超えたロボットが開発された。ただし、人もそれは予想していたので、初めてのAndroidはテストとして、寿命は1年に設定されていた。

ちなみに、2045年は、実際にある「2045年問題」に由来する。詳しいことはwikiに任せるが、人間より賢い知能を生み出すことが可能になるシンギュラリティ(何じゃそりゃ)が起こると予測された年度。つまり、機械の知能が人間を超す年度。あと「ブレードランナー2049」っぽくてカッコいいでしょ?

また、死後の世界のドアは管理者が通れるように、「人は通り抜けることができない」と設定されているので、Androidは通り抜けることができた。プログラミングのエラーあるある。

「住民」

死者の魂が人形に入って、判決を言われて生活している者たちの総称。

「001」

今回の主人公。

2045年に開発された、初めて神の基準で、知能が人以上と認識されたAndroid。初号機なので名前が001。

自分の仲間がまだ居ないことが初めから分かっていたので、終始下を向いて、落ち込む場面が多い。hunterと仲良くなりたかったが、hunterが結構ツンデレで立ち去られてしまったため、来世に期待でRebornの穴に飛び込んだ。ギリギリで神から連絡を受けた管理者に止められ、最後はAndroid(場所)で自分の家をゲット。今後、仲間のAndroidが壊れた場合、近くに家が立てられ会うことができるようになった。

「管理者」

神が死後の世界を管理するために作ったロボットのようなもので、今回は以下の3体が登場。今回は各一体ずつしか登場していないが、地球人全てをさばくために、たくさん存在している。

一人一人にランダムに人格が一応ある。

「judge」

裁判所で判決を言い渡す管理者。

裁判所が休みのときは、普通に眠ている。

「staff」

住民のお世話を全般的に行う管理者。

指示に従わない住民がいた場合は動きを止めて、移送できる。住民の痛覚、記憶、感情をコントールできる権限がある。

「hunter」

地獄で住民を見つけたら、住民を捕獲、家に送り返す管理者。

ワープができるので本気を出せば、住民を一歩も家の外に歩かせないことができるが、可哀想なので、適度に寝るようにしている。矢に射られても体が動かなくなるだけで、特に痛くはない。

hellの住人しか攻撃できないので、Androidの主人公には、エラーが生じて矢を打てなかった模様。暇すぎたので、主人公と一緒にブランコに乗ってあげたが、誰かが家から出たのか、すぐに立ち去った。


制作してみて

初期設定

春に5分程度の動画作りをすることは決まっていたので、初めはロボットアクションでアニメのOPみたいなのを作ろうと思っていました。高校の頃に何となく作ったロボット物の設定とかはあったので、それを表現するOPを作ろうと。ただし、デザインセンスが致命的にないことが発覚。真似ることは比較的できますが、0からのデザインはコスパが悪すぎる。それなのに、気づけば締め切りまで残り1週間前。

結果、キューブなどの形を多用したシンプルな世界観に決定。もともと、モノクロ+シンプルデザインが好きだったので、ニーアオートマターのモノクロ世界みたいなのをイメージで作りました。加えて夜の信号とか、夜の街灯暗闇でライトピカーな表現が大好きなのでライトを使いまくって、Blenderに負荷を掛けていくー。

Renderingに時間がかかる

Blenderで制作しましたが、最終的に動画に出力するにはrenderingをしなければいけません。ただし、これが馬鹿みたいに時間がかかる。画像を1枚1枚作って、アニメーションとしてつなげるので1秒のシーンでも、阿呆みたいに時間がかかる。

1シーンごとに出力したかったし、1週間後まで時間が無い。ということで最優兵器、スクリーンショットを使うことにしました。つまり、スクリーンレコーダー?でBlenderの画面を録画、それをiMovieで動画編集するという二度手間作戦。

特に光などの計算が適当になるので表現が雑になりますが、2秒のシーンなら2秒で録画が完了します。映像が荒過ぎるが、知ったことか!。

Animationめんどい

動作一つとっても、左足を上げるのと同時に右足を上げるとか、手も振るとか、重心を左右にずらすとかいちいちいちいち指定しないといけない。

5秒の動画なら現実の人の動きを参考に、完璧にディズニー並の動きを表現してみせるが、今回は期限がもう1週間後。そんなことをしている暇はない。

  • 横から見ると構造おかしくね? そのカメラから見て正しく見えればいいんじゃ

  • 目の動きが変? 味があっていいだろう

  • シーンの時間がおかしい? 後で動画ソフトに貼り付けて編集すりゃいっか

  • 浮いてますけど? もともと、彼らは少し浮いてる設定でして

みたいな、自由研究課題提出の前日みたいなことをしてました。

音楽

初めは声を自分で録って、編集して、あつ森みたいな感じにしようとしたんですが、自分の声を聞くのって結構精神に来るんです。あと高さを変えただけじゃイメージした音にできなかった。寂しい雰囲気にしたかったので、声は無しでも意思疎通できる設定に変更。

効果音もつけようかと思ったのですが、できるだけ抽象的にしたかったので、効果音もなし。

ザ・ザツ

完成!うん雑だ。ライティング、カメラワーク、モデリング、音全てがいい感じで雑だ。

ただ、一度長編(私にとっては)の物語を表現してみたかったので、結構満足。デザインもカメラとライトは雑だが、自分の好みの色にできたし、いくつかのシーンは普通に可愛かったり、かっこよかったりすると思う。

雑は雑でも、自分の表現したいものを数割は伝えられるようなものを作れて良かった。多分これを小説にして出しても、歌にしても、私のレベルじゃ誰にも伝えられないと思う。ただ、モデリングなら比較的才能とかがなくても、初心者からでも簡単に作ることができる。1年のころからBlenderを触っておいてよかったなと思いました。

以上!


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