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#46 運動会のソーラン節から感じた自分を貫くってどういうことか?

人の目を気にしすぎる。
物心ついた頃から、私にとっての悪癖。

不器用で調子コキにも関わらず、人の顔色ばかりうかがう。

  • 不器用 → 失敗 → 顔色うかがう

  • 調子コキ → 悪評を買う → 顔色うかがう

・・・(笑)
さすがにここまでわかりやすいパターンはなかった(と思いたい)けど、
「人の目を気にしすぎる」から苦しんだ時期もあった。

この悪癖はいまだ、完全に克服できたわけじゃないけど、
歳を重ねて気にしない部分が増えたり、仕事を通じて出会った猛者たちから授けてもらった力のおかげで自信を持てたり、良い方向へ変わってきた気がする。

ソーラン節

我が子。先日、小学校の運動会があった。
出場種目は、徒競走と学年演技「ソーラン節」

各学年とも、ダンスの類をみんなで演じるのだけれど(6年生は組体操)、
なかでも「ソーラン節」は、児童たちの人気が高く、学年演目から漏れたことがない。

自分が中学生のときに金八先生を観ていた私は、イントロを聞くだけで胸が熱くなったりするが、そんなことは知らぬだろう今の小学生にとっても「胸熱」なのは同じらしい。

うちの子も、運動会の練習が始まった頃からむっちゃテンションが高かった。

家に帰ってきてからも、一人演舞。
ファミレスに行っても、駐車場で一人演舞。

学年も上がり、昨年よりフォーメーションが複雑になっているそうで、

「三角形から一列に変形するんだけど、ってことは、動く幅がみんな違うのよ!
 だから、むっちゃ難しいのよ!」

シンクに向かって洗い物をしている私に熱弁してくれた。

フォーメーションに学ぶ実力差

学年が上がると、フォーメーションは難しくなる。振り付けも難しくなる。
1年生のように「一生懸命に踊ってるね!」だけじゃ済まされない何かは、確実に生まれていた。

フォーメーションがあるということは、誰がどこに立つか(先生が)選抜することになる。

  • 正面(センター)に並ぶのは、とても上手に踊れる子

  • グラウンドである以上、両サイドも観衆に近いので、一生懸命な子

なんの前情報もない私でもパッと理解できるほどだから、毎日練習を見ている先生からしたら、より明確な根拠があるのだろう。

そして、うちの子はというと、どちらでもない。前からも横からも一番遠い位置に配されていた。

確かに、

  • しゃがみ込むときに、フニャフニャしている(センターの子はしっかり腰を落としている)

  • 飛び上がるときに、ワンテンポ遅れている

  • 手先の伸び方にキレがない

でも、やる気がないとかふざけているかというと、そんなことはなさそう。
だって、家でも一生懸命練習していたし。なにより、同級生たちに負けないくらい大声を出して飛び回っている。

ただ、「リズム感のなさが遺伝してしまったようでゴメンよ、、、」とは思わなかった。
なんだこの、滲み出るような楽しさはww

「上手になりたい」でもなく、「見栄えよくしたい」でもなく

彼は、ずっと楽しそうだった。
みんなとの運動会を楽しんでいる。それが一番。

が、どうやら、そういうことでもないらしい。

しゃがんでから跳び上がる一連の動き。
ジャンプのタイミングは遅れているけど、彼は、誰よりも高く飛ぼうとしていた。

しゃがみながら手で波を作るのは、ダラぁっとしているけど、ジャンプだけはとにかく高い。
テンポは遅れているけど、誰よりも高く手を挙げようとしていた。

「どっこいしょ」の掛け声はかかり気味。
けど、でっかい声を出そうとしているのが伝わってくる。

そして、パワーを出し切ったあとは、顔からはみ出しそうな笑みだった。

気持ち良いから楽しい

悪く言えば、「上手になりたい」って思ってない、ってことなのかも知れない。
「上手に見える踊り方を会得する」という真っ当な戦い方をしていない、って話でもある。

でも、自分なりに自分が良いと思う「ソーラン節」をイメージし、そこへ全力で向かおうとしている彼が誇らしかった。親バカだけど。

団体演技に点数がついて表彰されるような形式じゃないから成立する話かも知れないし、
学校での練習中は絶対にフザケてたんだろうしw、
そんな子どものやる気を刈り取らないように骨を折ってくださった先生方には頭が下がるばかりで。

うちの子に、「自分の価値基準を貫く」って経験をさせてくださったことへの感謝と、
一生懸命そういう姿勢を示してくれた我が子に「自分を貫くことの素敵さ」を教えてもらった運動会でした。

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