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【研究報告書/運営side】“無駄”を極めたアナログゲームをつくったら、狙わずとも売れちゃうのか?

私は、無駄を極めしスペシャルハッピー集団「無駄団」の御頭をしています。少しかしこまった場では、御頭じゃなくて代表といいます。相手から「え、何なの」って思われる気がちょっとだけしてしまうからです。まだまだ修行が足りません。

加えて、「『無駄団って一体なんなの?』と思われていると思うよ」と教えてもらうことがよくあります(おもしろいことに、私の元に直接質問が来ることはほとんどありません)。それでも、私は無駄団のことを真っ先に「無駄を極めしスペシャルハッピー集団」という言葉で説明します。私は仲間と一緒に考えたこの表現が大好きだし、無駄団のことをうまく表現できていると思うからです。その一方で、うまく表現できていないから「一体何なの?」と思われているという自覚もあります。以前書いた研究計画書で無駄団について詳しく説明しています。お時間がある方はぜひ読んでみてください。

◆実験の目的と背景

無駄団らしい指定企画を考えようということになり、私たちは元々ゆかりがあったゲームづくりのスペシャリスト高橋晋平さん(以下、しんぺーさん)に協力をお願いしました。そして、しんぺーさんをアンバサダーに迎え、世界一無駄なアナログゲームづくりにチャレンジするという企画を考えました。私たち無駄団は、今回募集した10名の研究員のみなさんと共に「“無駄”を極めたアナログゲームをつくったら、狙わずとも売れちゃうのか?」という実験にチャレンジしました。

https://twitter.com/simpeiidea

今回、私はこの指定企画の運営として実験に関わりました。そのため、本来、研究報告書の提出は必要ありません。しかし、私もこの研究に関わってくれた研究員の方々や無駄団の団員たち、そしてしんぺーさんに敬意を表して研究報告書を書いてみることにしました。裏話的な、アナザーストーリー的な、サイドストーリー的な。なんでもいいですが、そんな形で読んでいただけるとうれしいです。

◆無駄団らしい運営が生まれた背景

秒で破綻した運営ミッション

個人的な話にはなりますが、この企画で私はPMという立場を初めて経験しました(厳密には“まとめる”という役割が与えられたことがなかったわけではないけれど、PMという名前がついた役割で動くのは初めてのチャレンジでした)。そのため、この実験を通して、「やりたい」の気持ちを最大限活かせる環境づくりと最強の運営チームづくりにチャレンジしようと決めていました。私たちは今回の研究について、「研究に関わる人全員が活動を思い切り楽しんで、全員で完走すること」というミッションを無駄団として掲げていました。でもこのミッションは早々に破綻します。

失敗した理由は「ちゃんとする」の強要

無駄団はやりたいことを思い切り楽しむコミュニティです。やるもやらないも自分次第。団員たちはやりたい時にやりたいことをします。常にアクティブじゃなくてもOK。それなのに、私は「運営なんだからこうしてほしい」「研究員のためにこうしてほしい」とちゃんとすることを徹底しようとしました。団員にも、私自身にもです。いつも通り活動しようとしていた団員たちはさぞかし混乱したことでしょう。もっとも、混乱していたのは私自身だと思います。

打開策として、ちゃんとしないことを宣言

うまくプロジェクトが回っていない気がして、私は新しい働き方LABのコミュニティマネージャー2名に相談しました。すると、思いもしないことを言われたのです。「無駄団にちゃんとして欲しいなんて誰も1ミリも求めていない」と。私はハッとしました。研究員制度の指定企画だとか、PMだとか、アンバサダーにビックネームがあるだとか……。いろんなことに囚われて私は「私らしさ」「無駄団らしさ」を手放そうとしていたのです。このことに気づいて、私は運営チームに謝罪をして、ちゃんとしないことを宣言しました。これにより、プロジェクトに関わっていた団員たちがのびのびと活動できたと思います。研究員のみなさんとの交流も増え、私が思い描いていた「無駄団の楽しいの渦に研究員たちを巻き込む」運営ができたと感じています。

◆検証したかったこと

アンバサダーの高橋晋平さんも参加した試遊会での集合写真

私は常日頃、「やりたい」が「やらなければならない」に変わった瞬間、つまらなくなるのではないかと考えています。そのため、以下のテーマに沿って自分らしいオペレーションの仕方を追求していきたいと考えています。

・「やりたい」に溢れた状態を維持するためには、どうすれば良いのか。
・「やりたい」の気持ちを言いやすい環境にするためにはどうすれば良いのか。

これは、結論として「何もしない」が正解だと思います。厳密に言うと、「楽しい、やりたいの強要をしない」ということです。私たち運営チームはオンラインでの交流会やもくもく会、オフラインで遊べる試遊会など場の設定だけ行い、あとは自由にゲームづくりに没頭してもらうことにしました。交流会は運営チームのけーやんが毎回素敵なスライドをつくって、進行も担当してくれました。私が忘れている時もこまめにリマインドをくれました。

◆アウトプット・成果

当初、私は定期的にnoteで運営サイドの活動の報告や自分が考えていることをまとめていくつもりでした。結果的にそれはできなかったのですが、研究員のみなさんのマガジンをつくりました。編集員としてサブPMのりりからさんがコツコツみんなのnoteをマガジンに追加してくれています。

研究員のみなさんの活動を一気に知ることができるとてもおもしろいマガジンですので、ぜひ、ご覧ください。

ゲームマーケットに出展!私のゲーム以外はすべて販売に成功しました!

また、研究員の方々に教えてもらい、有志でゲームマーケットに出店することができました。私自身、ゲームづくりはプロトタイプまでしか完成させることしかできなかったのですが、研究員のみなさんの活動により1人では経験できなかったことに挑戦できてとてもうれしかったです。

無駄団の公式サイトがオープン

無駄団の指定企画に参加してくれた研究員のみなさんが開発したゲームをなんとかどこかに集約できないかと考えた結果、無駄団団員であり、サブサブPMを務めてくれたふーみんが公式サイトをつくってくれました。

◆実験の測定方法

測定方法については、研究員の方々や無駄団の団員たちの意見について、改善策や問題提起の割合を算出。定期的にパーセンテージで計測するつもりでしたが、ちゃんとすることをやめたのでまったく計測していません。

◆スケジュール・進め方

ゲームづくりができた方、ゲームを販売するところまでできた方、期間中にゲームが完成しなかった方、ゲームをつくって販売したものの、思ったような成果が出なかった方……。さまざまなメンバーがいたと思います。みなさんの意見を聞いて、運営の振り返りをきちんとしたいと思います。

◆結論

無駄団の指定企画を通して得たもの、気づきがたくさんありましたので、報告します。

1人じゃ難しいことも、仲間がいるとなんだかできちゃう

この研究報告書を書きながら改めて感じることは、無駄団のみんな、研究員のみんながいたから、企画が成立したということです。悩んでいた時も、無駄団らしくと振り切った時も、表向きにプロジェクトが止まらず走り切る事ができたのは、ついていてくれる仲間がいたからです。すごく綺麗事に聞こえるかもしれませんが、本当にそれに尽きます。そもそも私は仲間が欲しくて無駄団を立ち上げました。たくさんの仲間に囲まれて私はとても幸せです。みんなありがとう!

しんぺーさんに「友だち」と言ってもらえた

今回、この企画になくてはならない存在がいました。アンバサダーを務めてくれた高橋晋平さんです。しんぺーさんは私たちのことを「友だち」と表現してくれます。これはとてもうれしいことです。ゲームづくりの進捗状況も丁寧に見てくれて、プロのゲームクリエーターからのフィードバックをもらいながらゲームづくりに挑戦できたことは研究員の方にとっても素晴らしい経験になったと思います。私は、期間中これまで以上にしんぺーさんの活動に興味を持って「推し活」をすることができました。

新たなつながりができた

しんぺーさんがご自身の活動に無駄団を引き入れてくれて、新たなつながりが生まれました。無駄団を多くの人に知ってもらえる機会を作ることができて、とてもうれしいです。

◆「研究員制度」の趣旨について

本記事は、ランサーズ新しい働き方LABの「研究員制度」の活動報告をするために、私個人が行った「働き方実験」についてまとめたものです。
「研究員制度」にご興味のある方はこちらへどうぞ。


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