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自戦記  石田流vs.向かい飛車

将棋ウォーズ3分切れ負け。
リビングでコタツに入りながらの対局。3切れにしては快勝だったように思う。番勝負では名局は生まれないというように、やはり少しはリラックスしていた方が良いのだろうか。

いつもはネットでも対局開始時に「お願いします。」と声を出しているが、今回は家族の前だったので照れながら小さい声で言った。


相手の方は3切れ三段、デイリー3.9段の実力の持ち主だ。

戦型はタイトルにある通り☗石田流vs.☖向かい飛車の相振り飛車だ。他の投稿を見てくださってる方ならお察しいただけるだろうが、先手石田流が私だ。

初手から☗7六歩☖3四歩☗7五歩☖4四歩☗7八飛☖4二銀☗4八玉☖5四歩☗5八金☖5三銀☗9六☖2二飛☗9六角と進む。

普通は9七角をここまで早く上がることはないのだが、ここは3切れということで何もしなければ7四歩を狙っている。しかしながら☖1四歩☗7四歩☖6四銀☗同角☖同歩☗7三歩成☖同桂☗同飛成としても☖7二飛と回られて飛車交換を迫る手があって、あまり良くなかったかもしれない。


☗9七角から☖6二玉☗6八銀☖5二金左☗2八玉☖2四歩☗3八銀☖7二銀☗7四歩☖同歩☗同飛☖2五歩☗7六飛☖7三歩☗7七桂☖7一玉☗9八香☖4五歩☗6六歩☖2六歩☗同歩☖同飛☗2七歩☖2四飛☗6七銀☖1四歩☗5六銀☖1五歩☗4五銀と進む。(下図)

ここで5六銀と出て4五の歩を狙った手に対してなんと取ってくださいとばかりに1五歩、先手も相手の注文に乗り4五銀と歩をかすめ取る。ここで何もなければ歩得できた先手に不満はないだろう。


そして☖3五歩☗5六銀☖5五歩と進む。

上図から4五銀だと4四歩で銀が死ぬ。6五銀でも6四歩で同じなので引くしかないのかと思ったが☗4五銀☖4四歩に対して良い返し技が見えたので4五銀と出る。
(実は4五銀に対して相手からの好手があり、その手でこちらが悪かったのだがその変化は後述する)

上図です。皆さんも考えてみてください。

【次の一手】

答えは6五桂と跳ねる手。
4五歩と銀を取ってくれれば☗5三桂成☖同金☗同角成で馬も作れ金得で優勢。5三桂成に5一金引と逃げても成桂を4三に寄っておくぐらいで良い。

そのため実戦では☗6五桂に☖4二銀と引いて来たが、☗5四銀と銀を逃げながら5三の地点に駒を集中させ先手かなり指しやすいだろう。

と、対局中は会心の一手に見えノリノリだったのだが相手からの反撃があり先手困っていた。

☖6四歩

この手で困っている。4五の銀は動けない格好なので相手の攻め味を消してから取りに行くのが好手。6四歩に代わり4二角のような手もあるが、これもまた6五桂から暴れられて銀得の効果が薄れてしまう。


☗6五桂からは☖4二銀☗5四銀☖6四歩と進む。6四歩は一見何かありそうで怖い手だが、取って問題ないと判断し☗同角。

☗6四同角からは☖4五歩☗5三桂成☖同銀☗同銀不成☖6四飛☗同銀成☖3六歩☗同歩☖5六歩☗3七桂と進む。
しかし、5六歩に対しては単に同歩とした方が良かった。角のラインが気になり桂馬を跳ねたが同歩でも問題なかった上に相手の攻め手を助長してしまった。

☗3七桂から☖5七歩成☗同金☖5六歩☗5八金引☖8九角☗5三歩☖6二金寄☗3一飛☖9二角成☗7四歩と進む。

☗7四歩に☖8七馬は☗5二歩成がある。☖7六馬と飛車を取ってくる手には☗6二と☖同玉☗7三歩成☖同桂☗6三銀☖同銀☗5三金の筋から詰む。同金も7三の地点が薄くなるので7三歩成から受けなし。

そのため☖同歩と取り☗7三歩☖同桂☗7四飛☖6三歩と進む。

30秒ほど考える、3分切れ負けなのでかなりの長考だ。
ここで成銀を逃げるようではチャンスを逃してしまう。一気に寄せ切ってしまおう。


☗7三銀☖同銀☗同飛成☖同金と進む。成銀と同様で飛車を逃げている場合ではない。

ここで本譜では7四歩と打ったがこれは詰めろではないため2四桂の詰めろをかけられて、いったん4五桂や4八桂のような受けの手を指さねばならず、形勢は勝勢のままであるが流れが悪い。

5二歩成と詰めろを掛けるべきだった。これでは何のために歩を打ったのか。

☖7三同金から☗7四歩☖6二玉と進むが6二玉は攻め駒にみずから近づく悪手に見える。

☖6二玉から☗7三歩成☖同玉☗6一飛成☖7九飛☗6五銀と進む。
まだまだ自玉に詰めろはかからないので、無理に詰ませに行かず上から押さえ込める手を選ぶ。

☗6五銀から☖6六角。これも※横Z なので詰めろではない。

ここから☗7四歩☖8四玉☗8六金。ここで日和る。簡単な5手詰があるのに自玉が安全なのをいいことに詰ませにはいかなかった。
☗8六金からは☖3九銀☗1八玉☖7六飛成。

※横に効く駒がないので1八玉で絶対に詰まない。

実戦詰将棋です。皆さんも解いてみてください。10秒以内で初段ぐらいでしょうか。

では答えをどうぞ。

☗7六桂。様々な詰み筋があるが実戦はこの手で詰ました。一番綺麗に思ったからだ。
単に9五金打も最後に7六銀が打てるので詰む。

3切れなので読みが甘いところも多かったが概ね悪くない対局だったのではないだろうか。終盤に詰みを逃す場面が多かったので終盤力は強化していきたい。


ご静聴ありがとうございました。

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