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【アブダビ】アナンタラ・カスル・アル・サラブ 宿泊記

前回の記事でドバイのアルマーニホテルについてお送りしました。

今回はその続きとして、アブダビにある砂漠の高級ホテル「アナンタラ カスル アル サラブ」での滞在記をご紹介します。


アブダビ

アブダビはUAEの首都。経済の中心がドバイだとしたら政治の中心はアブダビです。
とはいえ近年、アブダビの街もオイルマネーによる開発が進み様々な観光スポットが生まれています。
代表的なものでいうと、「ルーブル・アブダビ 」。フランスのルーブル美術館が2017年にアブダビにオープンさせた所謂姉妹館です。
30年間「ルーブル」を名乗る権利としてUAEはフランスに4億ユーロを支払う契約なのだそう。

他にはフェラーリのテーマパーク「フェラーリ・ワールド」、世界最大級のモスク「シェイク・ザイード・グランド・モスク」などがあります。

実際に訪れたシェイク・ザイード・グランド・モスク
このモスクでは世界最大のペルシャ絨毯と
超巨大なシャンデリアがお出迎えしてくれる


アナンタラ カスル アル サラブ

サウジアラビアとの国境付近
リワ砂漠のど真ん中にぽつんと位置するホテル

今回、私たちがUAEを訪れた最大の目的はこの砂漠のホテルに宿泊することでした。
カスルアルサラブはアブダビの市街地から南へ下ったサウジアラビア国境付近のリワ砂漠にあります。

日本には綺麗な海も山もあるけど、映画やナショジオで観るような砂漠だけは存在しない!
(鳥取砂丘も猿ケ森砂丘も「砂漠」の定義には当てはまりません)
ある意味日本から一番遠い景色として「砂漠」というものに長年憧憬を抱いていました。

そんな折に発見したのがこのホテル。
世界に「砂漠ホテル」と言われるものはいくつかあるのですが、「アナンタラ カスル アル サラブ」ほど"想像通り"の砂漠ホテルを体現しているホテルはありません。

チェックイン

アナンタラにはドバイのアルマーニホテルまでお迎えに来ていただき、そこから3時間のロングドライブ。大きなリンカーンに乗ってひたすら一本道を走ります。

★がアナンタラ
ドバイから車で約3時間ほどのドライブです

上のグーグルマップの画像からも分かる通り、あっという間に何もない砂漠地帯へ突入していきます。

"アナンタラはこちら"と書かれた看板
この看板からさらに走ること2時間以上…
ものの数十分でさらっさらの砂漠が広がる

しばらくしてホテル敷地内へのゲートが出現するのですが、そこからさらに10分ほど走るとようやくエントランスに辿り着きます。

ホテルエントランス
まさに異世界のような佇まい
車寄せ
もはやテーマパークの入口

ホテルは外観も内観も世界観の造り込みがとにかく圧巻です。文化も時代も超越したような、一瞬でそんな気分に浸ることができるつくり。
調度品も一つ一つに手抜きがありません。

ロビーラウンジ
ラウンジその2

ゆったりとしたアラビアンミュージックの流れるロビーラウンジでは正面からリワ砂漠を一望できます。異国中の異国にやってきたんだという感慨に浸れる瞬間。

窓の向こうは一面の砂漠

さて、ウェルカムドリンクと中東名物デーツ(ナツメヤシの実)を頂いたら早速お部屋へと向かいます。
担当のバトラーはナミビア出身で砂漠の気候や「ナミブ砂漠」についても色々と教えて頂きました。

今回の滞在では2つのお部屋に分泊することに。
最初の2泊はアナンタラ・スイート、後ろの2泊は1ベッドルーム・プールヴィラです。
まずはアナンタラ・スイートにチェックインします。

スイートへ向かう道中
まるで一つの街のような敷地内には
水路が張り巡らされています

アナンタラ・スイート

滞在の前半、私達の住処となるスイート。
広さは86平米あり、リビングルームと1ベッドルームで構成されています。
石材と木材がうまく組み合わされた伝統的なイスラム建築のお部屋は落ち着いた色合い。

リビングルーム
ベッドルーム
キングベッド
頭上にはモザイク模様のアラビアンランプ

バスルームはかなり広々と面積が取られており、洗面所も2ベイシンでかなりゆとりがあります。
円形のバスタブは大きすぎて湯船にお湯が溜まるまでやや時間がかかるレベル。

バスルーム
2ベイシンはかなりゆとりのある造り
トイレとシャワールーム
見ちゃんと中央に磨りガラスの仕切りがあります
円形の巨大バスタブ
優雅なバスタイムを愉しめます

またスイートはホテルの4階に位置しているため、バルコニーからの見晴らしがよく、リワ砂漠を一面に眺めることができます。

部屋前のバルコニーからはもちろんリワ砂漠
緑のエリアは全てホテルの敷地内

1ベッドルーム・プールヴィラ

続いて滞在後半に宿泊した1ベッドルーム・プールヴィラ。こちらは完全な1棟独立型のつくりとなっています。

1ベッドルーム・プールヴィラ
メイン棟からはバギーで送迎してもらいます

ヴィラのなかはスイートと同様伝統的なイスラムスタイル。全体的にスイートよりも間取りにゆとりがあり優雅な雰囲気です。

エントランスからホワイエを抜けた先にリビングルーム
ソファの向こうにベッドルーム
ベッドルーム
アナンタラ・スイートのベッドルームよりも
ややゆったりとしたつくり

バスルームは最奥部にバスタブ、その両サイドにトイレとシャワールームが設置されています。こちらもまたバスタブの大きさが凄いのですが、お湯はあっという間に溜まります。

バスルーム
相変わらず巨大なバスタブ
洗面台は対に配置された2ベイシン

そしてヴィラ一番のセールスポイントとなっているのがプライベートプール。ヴィラには大きなテラスが併設されており、そこにプールが設置されています。

プライベートテラス
プールとデイベッド
降水なんてほぼ無いであろう砂漠のど真ん中で
プライベートプールに入る贅沢

水が大変に貴重な砂漠のど真ん中でこんなに綺麗なプールに浸かれる贅沢といったら…さながら石油王のような気持ちを味わうことができるヴィラでした。

ホテル共有部

さて、お部屋の紹介は以上にして少しホテルの共用部を巡ります。
ホテルは記事の序盤から見ている通りまるでお城のような出立。"カスルアルサラブ"は"砂漠の城"を意味するそうです。

まるで城や要塞のような外観
ホテルが広大すぎて全景を収められない…

ちなみに建物自体はこのホテルのオープンに合わせて建てられたもので、歴史的建造物というわけではありません。あまりにディテールが凝っているので、実際のお城を改築したのかと思ってしまうほど。

オアシス風のプール

オアシスをイメージしたプールにはバーも設置されています。プールに入ったままお酒も飲めるなんてこれはイスラム圏という観点から別角度の贅沢を体感できますね。

離れにあるスパ

また今回は利用しませんでしたが、スパ棟がプール付近にあり、こちらの内部もまたヴィラのようなゴージャスなつくりになっていました。

ジムやテニスコートなど、通常砂漠では到底実現できないような設備もしっかり完備。過酷な自然条件の周辺環境からはある意味一番似つかわしくない施設かもしれません。

最新設備の整ったジム
日除け付きのテニスコート
プールから砂漠に沈んでいく夕日を眺める

正直どこまでがホテルの敷地内なのかかなり曖昧ではあるのですが、塀の外には木製のブランコやちょっとした遊歩道があったりもします。
周辺をぶらっと散策する分には迷子にはならないでしょう。単身で遠出するのはおすすめできません笑

砂漠は風が吹くたび形を変え風紋をつくる
夕刻のホテル
幻想的なマジックアワー
陰影が美しいアラビアンランプ

ダイニング「アルワハ」

ここからはホテルでの食事についてご紹介します。
食事はラウンジやバーも含め相当数の選択肢があり、それなりの長期滞在であっても全く飽きることはないと思います。
食事を取れる場所はこのホテルしかないので必然的にダイニングは充実しますね。

ということで最初に紹介するのは「アルワハ」。
ホテル内で一番規模が大きなオールデイダイニングで、朝食の指定ダイニングです。

オールデイダイニングの「アルワハ」
朝食は基本的にこちらで頂きます
夕食はカジュアルなビュッフェスタイル
中東料理はもちろん、和、洋、中なんでもあり
ライブキッチンで作ってもらえる天ぷらやヌードルが美味
テラス席で砂漠を眺めながら朝食も可能

ダイニング「ガディール」

プールそばに位置するイタリアン「ガディール」はホテル内で最もカジュアルなダイニングです。
夕日に照らされて赤く染まるリワ砂漠を窓から眺め気軽に食事を取れる居心地のよさ。

カジュアルイタリアン
もちろん窓からは砂漠ビュー

肝心のお料理はパスタもリゾットも変に癖のないオーソドックスな味でほっとします。
なんやかんや旅先に食べ慣れた味があると安心できますよね。

ペンネカルボナーラ
リゾット
イチヂクのタルト

ダイニング「スハイル」

「スハイル」はステーキをメインとしたカスルアルサラブのシグネチャーダイニング。ディナーのみの営業です。
室内席もありますがやはりおすすめはテラス席。何にも遮られることなくリワ砂漠に沈む夕日を眺めることができます。(時期によっては夕食時でも暑いので注意ですが…)

オープンエアの「スハイル」
ホテルと砂漠を一望
良い席は事前の予約がおすすめ
日没直前
陽が落ちて明かりが灯るカスルアルサラブ
シーフードタイカレー
中央のオレンジ色はなんとタイカレーの"アイス"
テンダーロインステーキ(400gのビッグサイズ)
マジックアワーの美しいダイニングでした

サンライズキャメルトレッキング

ホテルには砂漠ならではのアクティビティが様々充実していますが、やはり一番おすすめしたいのはキャメルライド。
サンライズverとサンセットverがありますが、夕方はまだまだ暑いため夏の時期ならサンライズを選ぶのが無難そう。
ということでサンライズキャメルライドの様子をお届けして宿泊記を締めくくります。

朝5時起床
車で砂漠の奥地へ

朝早くにモーニングコールで叩き起こしてもらい、砂漠のさらに奥地へドライブ。そこでラクダたちと落ち合いプライベートキャメルライドスタートです。

ラクダがお出迎え
朝日とラクダ

ラクダは中東エリアで一般的なヒトコブラクダ。
初めてのキャメルライドでしたが想像以上の大きさで目線の高さがかなり変わります。
とはいえラクダは非常に大人しく揺れも少ないので乗っていてもかなり快適。
さすがは長年に渡って駄載獣として活躍する動物です。

朝日を拝みながらキャメルライド

そして何より砂漠とラクダのセットはえげつないほど絵になります。ラクダ使いが4頭を引き連れて歩く様は想像していたキャラバンそのもの。

役目を終えて帰宅するラクダたち
絵になりすぎる光景

キャメルライドを終えた後はなんとそのまま砂漠で朝食タイム。軽めにパンや果物、お茶が用意されます。
ちなみにプライベートツアーなのでゲストは我々2人しかいないのですが、なぜかチェアをずらっと並べてくれます笑

そのまま砂漠にチェアをセットして
軽めの朝食

朝食後は砂漠を徒歩で散策。
どこの砂漠もそうなのかはわかりませんが、リワ砂漠はかなり起伏に富んでいて想像以上に歩くのは大変です。

朝食後はしばらく砂丘を散策

下の写真のとおり、砂もかなりきめが細かくあっという間に足が埋まってしまうほど。
砂漠によってはやや粗めの砂だったり、ゴツゴツした岩があったり、色々な環境の砂漠があるようですが、リワ砂漠は多くの人がイメージする砂漠そのものな気がします。

信じられないくらい粒度の細かいパウダーサンド
砂丘から送迎車を見下ろす
砂漠の広大さに目が眩む

おわりに

学生時代、旅行雑誌で見かけて以来憧れだったアナンタラカスルアルサラブ。
到着時からチェックアウトまで、環境、ハード、ソフト、全ての期待に応えてくれる素晴らしいホテルでした。
ホテルまでは飛行機と車でやや移動に時間がかかるのが難点ですが、だからこそ味わえる秘境感、特別感があります。
初めての砂漠リゾート体験に是非ご検討を!

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