目覚め

ホームへの階段をあがる

靴音が生み出すリズム  流れる人々

心音に寄り添う電子音


次の瞬間  上がっているのか下がっているのか分からなくなる

地下鉄の改札


ピンボールのようにはじき合う個々の思惑

小さき意思を押し流すデータの洪水

全てを内包する運命


ふとあなたに問うてみたくなる

どこにいるの?と

でも想像する方が好きなの

時々自分でも分からなくなる

ここがどこなのか

それでも自分の足で歩いてみたいの


モニタに写し出されるグラフ

デジタルとも生命ともいえる  私自身

 シナプスのような地下機構

私の記憶を預かってくれる頭上の雲


タイマーはずっと前からセットされていた

自然の、目覚めのスイッチ


街がリズムを刻み

鼓動が聞こえる

傍らでは  メッセージの着信が点滅してる

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