マガジンのカバー画像

鷗外とその家族

15
2022年にスタートしたチャレンジ企画。鷗外長女・森茉莉の著書を出発点に、鷗外とその家族の姿に迫るシリーズ。 3年目に突入した本年は、茉莉がパリに滞在した1920年頃の文化や社会…
運営しているクリエイター

#日本文学

「鷗外とその家族」シリーズについて(2024)

「鷗外とその家族」は、鷗外の長女・森茉莉のエッセイが好きで、家族に書かれたものが面白かっ…

aoi minakami
2か月前
4

茉莉とオリンピック

パリオリンピックが近づき、メディアも色々と騒がしくなりはじめた。オリンピックの直前になる…

aoi minakami
4日前
3

鷗外とその家族⑥ 怒りと静けさの筆致の間で 作家の顔を持つ鷗外妻・志け

 森鷗外の二番目の妻、志けは気性が激しく、鷗外が夫婦のやりとりをモデルにした短編小説「半…

aoi minakami
11日前
1

「鷗外とその家族」について(2023)

二年目に突入した「鷗外とその家族」の紹介と今年の抱負 *** 子供の頃「天才バカボン」の再放…

aoi minakami
1年前
10

鷗外とその家族⑤ 珠樹と茉莉とパリ

珠樹と茉莉。二つの名前を並べてみると、うっとりするような美しさである。 茉莉とは父・鷗外…

aoi minakami
1年前
14

「鷗外とその家族」について

「鷗外とその家族」について 細かくは記憶していないが、2008~2010年頃に、偶然開いた森茉莉(…

aoi minakami
1年前
6

鷗外とその家族④ 激情の妻・志けとの二十年

1. 若き日の短い結婚生活と、四十代での再婚 鷗外は生涯で二度の結婚を経験した。 一年たらずで終わった二十代の結婚の後、母の奔走の甲斐あって四十一歳で、二十近く年下の女性と再婚する。 一度目の相手は、幕末に榎本武揚らと共にオランダへ留学し、日本造船の父と呼ばれた海軍中将・赤松則良の長女、登志子だった。代々津和野の御典医の家系で、父親は千住で町医者を開業していた鷗外の一家からすれば、格差婚である。それほど鷗外は一代で出世し、周囲からも将来を嘱望されていた。しかし育った環境の

鷗外とその家族③ 於菟と志け

 鷗外の二番目の妻・志けと、前妻の子・於菟(おと)との関係を思う時、いつも心苦しいような…

aoi minakami
1年前
15