Fuller のインターンが面白かったから、振り返る(死ぬほど長いから気を付けて)
どうも皆さん始めまして、森田拓朗と申します
昔からブログを書いていたのですが、今回のnote投稿は採用担当に見られてもいいような記事を目指すということで、
コンプライアンス意識を持ち、筆を取ります。
さて、今回は「FULLER」という会社のサマーインターンシップに行ってきました。
アプリの使用頻度を取るApp Apeというサービスで有名な企業です。
またモバイルアプリ開発にも力を入れており、自分も少しだけかじったこともあるため、今回応募してみました。
インターンシップの概要はこちらです
課題内容は、新潟県南魚沼を舞台としてUIJターン(まとめると都会から田舎に移住すること)を促進するアプリを、デザイナーとエンジニアとディレクターに分かれ、学生主体で作る というものです。
よくあるチーム開発による経験をつけるタイプのインターンだと思ってました。(いい意味で裏切られた)
こちらライターの方が、僕らの伝説を綴ってくれたんですが、はっきりいってこれより披露されゆく僕の駄文よりも遥かに読みやすく、面白い記事になっておりますので、(あと短く綺麗にまとまってる。俺のは長く汚く散らかってる。)
僕自身にあまり興味ない人はこちらの記事に飛ぶことをおすすめします。
さて残った読者の皆様は、僕のインターンの振り返りにどうぞお付き合いください。
1日目
1日目は昼集合だったので、みんなで昼飯を食らいました。
南魚沼産コシヒカリの上に、ローストビーフを乗せた贅沢な丼ぶりです。
前世で徳を積まないと食べられないような味がしました。おいしい
食べ終わったらすぐに、ヒアリングです。
内容は魚沼市民の話や、地元の高校生、また魚沼に住んでいながら地元を盛り上げるために大学を休学している学生さんたちなどから話を聞きました。
そしてこの時自分は、
いやアプリでどうこうなる問題じゃねえわ(悲哀)
となっていました。
いや、本当に何も思いつかなかった。だって高校生の気持ち痛いくらいわかるし、
戻ってくる理由を、上手に言語化されている人は、僕はいないように感じました。
例えるなら、連立方程式のテストで1個しか式がないくらい、手の打ちようがないと思ってしまった。
軽く同じチームの二人とも話したけど、何一つピンと来ないし、自分のアイディアにも自信が全くありませんでした。
そんな絶望のまま床につきました。
2日目
今回のインターンシップでは、南魚沼の名所などで地域の魅力に触れてみることで解決の糸口を探る企画もあり、
色々連れていってもらいました。
まず一つは八海山ロープウェイ。
ロープウェイの上の全く見えない青空が、アプリのアイディアも行く先も全く見えない自分たちを暗喩しているようです。
窓から空気が入ってそこそこ気分がよくなってきました。しかし元々三半規管が1.5半規管くらいしか役に立たない自分は、ゆるやかに登っていくだけのロープウェイでも大分酔ったことを覚えています
頂上まで来ました。真っ白です。そしてめちゃくちゃ涼しい。
謎の小屋発見。対戦でも使う強力な技とかを教えてもらえそうですね。
メンターの方に撮ってもらった僕です。何もない所を見ながら、何もない手を少し上に上げています。ただ怖い。
ここまで言うと慰安旅行みたいなノリですが、かなりいい気分転換になりました。
やはり自然は偉大です。森の匂いと、夏にも関わらず異常に涼しい気候と、身体が喜ぶ材料は揃ってるなって感じでした。
次は魚沼の里の猿倉山ビール醸造所に行きました
結構おしゃれな感じ。麦特有の甘い匂いがしたことを覚えています
雪室に行きました。たくさん雪を集めて夏でもずっと涼しい場所を作るという奴です。雪には空気中のチリや汚れを吸う作用があるらしく、空気がとても棲んでいました。
その後はビール工場の社食でお昼を食べました(ボリューミーで美味しかった)
あれ観光?ってなった方 、ご安心くださいここから本編です。
2.5&3日目
さて、こっからですよこっから。
まず開発に移る前に現在開発の第一線に立つエンジニアの方々から講義を受けました。
一人目はデザイナーでFullerのCDOの山崎さんの講義です。
近接(関係性の高いものは近くに置く)やメンタルモデル(人間が予想する動作に即した動き方をする)など実践的な理論を、身の回りにあるアプリや実例を通しわかりやすく紹介していただきました。
また途中で「風呂を汲み上げる段階で温度が変わってしまう状況で、汲み上げ前の温度を表示する気温メーターと、温度調整ボタンがある状況で、どのように改善するか」という問題があり、
正解は「でたらめな温度を表示するくらいなら、あえて表示せず温度によって水温を調整する運用を変える。」でありまして
エンジニアの運用の部分でカバーするのもデザインの一つということを仰っていました。めちゃくちゃ奥が深い。
次はライターのメンターの藍月要さんの講義でした。
この講義では、他人にとって読みやすい文を、句点や読点の打ち方という観点から考えるテーマで
フィーリングに頼りがちな文の作り方を、とても上手く言語化されていました。
最後はディレクターメンターの船坂さんの講義。
アプリやサービスを作る際に利用されるフレームワークの一つであるリーンキャンバスについて教わりました。
さてここまで終わり、ついにアプリの概要を考えて行きます。
僕のチームは3人いたんですが、なかなかいいアイディアが出てきません。
苦肉の策でひねり出したのが、就職支援アプリでした。
既存と違う点は、南魚沼の人々がどのような生態かわかっていただくために、求人+社員の趣味など、より市民のプライベートを裸にしたみたいのが書いてあるという点です。
これを出した時、メンターさんから「これ自分が南魚沼で職を探しているときに本当に使う??」という、ミゾオチにアルマジロをぶち込まれるような質問が来て、
その時、3人とも自信を持って使うとは言えなかったので、そういうことでしょう。
というか、アプリのコンセプト「都会に疲れて田舎に逃避行的な人々を応援するアプリ」なため、どうしても議論の出発点がネガティブになることが多く、雰囲気が初代ゲームボーイの液晶並みに暗い。
まぁその後は、エンジニアのメンターさんのアドバイスから、楽しい方向で考えるようにした結果スキーのアプリを作ることになりました。
機能はチェックイン機能(スキー場に訪れたことを記録する)と、スキー場の情報と、混雑状況を教えてくれる。ただ、それだけ。
ちなみにこの間、4日目の半分くらいまで突入してます。
実に要件定義、価値提案の段階で丸二日間も考えました。
ここで僕ら学生とプロの違いは「機能を無駄に付け足さない」ということを一番感じました。
とりあえず考えて引き算を行う、自分の考えた可愛いアイディアを切り捨てる、という結構精神的に来る作業に非常に慣れておられました。
一見アイディアを捨てるという行為自体が、議論において振り出しに戻ったような感じがして、避けたくなります。(ていうかそのせいで、ゲーム機能とか、バイト機能とか自分が提案した奴に愛着が湧いてしまって話進まなかったの反省点)
しかし、「検討した上で捨てることが出来た事実は、結果的に前に進んでいる。」とよく仰っていました。
とてもタフですよね。こりゃ敵わんと思った。
最低限の機能で、機能間の親和性を考えた上に、ユーザーがアプリを使うストーリーがちゃんと思い浮かぶアプリケーション。
この3行がどれくらい難しいか。肌で感じました。
4日目
また。4日目はFullerのCEOの渋谷さんとの会談がありました。
僕も、二つほど質問をさせていただき、一つは「企業を存続、拡大するために、情報収集を行うのは必須だと思いますが、どのような手段で集めていますか?」という質問と、「長期インターンで少人数のベンチャー企業に行く予定ですが、自分ならどのような学生に一番来て欲しいですか?」という質問をしました。
一つ目の答えは、「本当にコアになる情報は結局は自分よりその道をよく知る人から得られる。そういった人と会う前に、たくさん質問するために事前勉強が必要。その手段はTwitterだったり、みんなと変わらない。でも英語は勉強しておくと便利かも」と。
二つ目の答えは、「技術力とかよりも、勉強熱心なとことか、何をすれば喜んでもらえるか。それを考えながら動けることが最も重要だと思います。」と。
前向きになれる本当にうれしい答えをいただきました。いい時間をありがとうございました。
さて午後からは、アプリの機能が決まり、市役所の方たちや社員さんの前で中間報告会を行いました。
結果はとても上々でした。
はっきりいって機能が少なかったため、桶狭間の戦いに行く足軽くらい気分は落ち込んでいたのですが、
ディレクターの方の発表が上手な上に、デザイナーの方のワイヤーフレームもわかりやすかったため、
聴講してくれていた方々もイメージがつきやすく、指摘というより、「こういう機能どう?」といった提案が多かったことを覚えています。
5日&6日目
さて仲間二人が健闘し、遂にエンジニアの僕の出番です 。
ガチのプログラミングの時間で、同時平行的にアプリのデザインを書き起こす時間も始まります。
ここからはメンターさんとペアプロの時間です。
4日目の段階では、使われるプログラムを厳密に理解した上で丁寧に書いて「勉強の一環だ」とか思ってたんですが、エンジニアのメンターの方から
「今、そこに工数を使っている場合じゃない」とマジトーンで言われたことが、このインターンで一番覚えていることです。
そこで即座に、「自分がだらしない動きをすれば、ディレクターやデザイナーに恥をかかせるという状況」にあるという責任を感じましたし、
当事者である自分よりも、もっと当事者意識を持っている実力者が近くにいるという心強さも感じました。
ここが一番、エンジニアとしてFullerのインターンを受けてよかったと思った瞬間ですね。
こういった「手を動かさないとまずい!!」という鉄火場を自分より遥かに強いエンジニアと共有できることは、そうそうない経験だと思います。
また、一緒に開発してくれたメンターさん二人とも教え方が非常に上手で、初歩的なエラーやAndroid 特有の複雑なエラーまで全てカバーしてくださいました。
2日間でしたが、ペアプロなので、わからないことや疑問だと思ったことは一瞬で質問できる最高の環境であることから、
プログラミングやテクニックの部分でも、だいぶ身に着いたと思います(後日、教わったことをまとめる予定)
さて、メンター様のエグめの手助けもあり、なんとかデモ発表まで達成すべき完成度に到達したため、発表の手伝いとデモの手伝いを行います。
最終発表 そして別れ...
中間発表と同じように、市役所の方や高専の先生、テレビ局や記者の方まで盛りだくさんの人たちの前で、発表を行いました。
主に自分の出番はデモのプレイと、技術的な展望を述べること。
デザインや、コンセプトに関する部分は他の二人が丁寧に述べてくれたこともあり、発表はかなり成功したと感じていました。
もしアプリの中身がめっちゃ気になるという方は、
こっち見た方が確実です。(二回目)
ということで、発表も終わり、みんなでご飯を食べた後に、
インターンシップの修了証を貰いました。
その時のメンターの方の、お言葉がもうエモすぎて、
まさかの感涙を流す我
中学校卒業、高専卒業、祖母の葬式、探偵ナイトスクープの年末特番、それらを乗り越え8年間人前で涙を見せぬ自称鋼鉄の男が、
一瞬で感涙しましたね。鋼鉄(笑)でしたね。アルミホイルくらいでした。貰い泣きもありますが、本当に嬉し泣きしてしまった。
ということで、笑いあり思考あり涙ありの最高の6日間のインターンシップでした。
また次につながるようにこれから、もしFullerのインターンシップに行くか迷っている学生の皆様向けに、Fullerのインターンの特徴を、参加者目線から軽く紹介します。
1.圧倒的なリアリティ
その土地の魅力を知った上で、土地の人々とふれあい、プロダクトを作成するという手順に重きを置いているインターンシップのため、
登場する人物は当然多く、当事者意識が持てる極めてリアリティのあるインターンシップだと思いました。
人と関わることが、あまり得意じゃないなって人は、少し疲れてしまうかもしれませんが、考える材料はとても多く与えられるため、自分は楽しかったです。
2.古民家で合宿形式
6日間、基本的に古民家の中で寝泊まりをする&開発を行うために、プライベートな時間は、あんまりないです。
僕の場合、人見知りを最初しますが結局人のことそこそこ好きなので、全然苦しくなかったのですが、
人と関わることや、人に合わせることが極度に苦手意識のある方は注意が必要かもしれません。
3.ご飯が美味しい
実は当ブログであまり触れられていなかったんですが、本インターンの協力者には南魚沼みらい塾の倉田さんという方がおられました。
こちらFaceBookです。
その方が昼や夜、料理を作ってくれたのですが、出てきた料理が基本的に美味しかったです。(一人で10何人相手に作っていました。憧れちゃう)
揚げ物やパスタ、色々振舞っていただきましたが、全部美味しかったです。
てな感じで、すごく長くなりました。
大学生になって、初インターンでこんなに楽しい思いさせてくれちゃって、ホントこれからのインターンどうしてくれんの責任取ってよってくらい楽しかったです。
メンターの方や学生のみんな、関わってくれた人々すべてが僕に刺激を与えてくれた、洗練された6日間でした。
ーー森田 拓朗