流鉄流山線

時折自分がとても惨めに思えてならなくなり、何もしたくなくなることがある。

地道に地道に、真面目に真面目に

小さなことからコツコツと。

突如としてすべてが馬鹿馬鹿しくなる

そんなことしていても何も救われないじゃないか、なんて。

そんなクズみたいなメンタルで、子供を迎えに行かなくてはならない

やっとの思いで家に帰れば家事、家事、育児、就寝

そんな惨めな毎日を送っているのだ

側から見ればしあわせだって?そうかもね。

保育園から出た息子は、家とは反対の方向へ向かう

電車が見たいらしい。

まだ17時、残暑が厳しい中疲れ切った体でしぶしぶ線路に向かう

10分ほどでやっと着いてしばらく下で電車を見ていたが、息子は歩道橋に登りたがるので仕方なく登った。

登ると頭上が開け、澄んだ青空が見えた。夕暮れ時の心地の良い風が吹いていた。

流鉄流山線の2両編成の赤い電車がこちらにきた。

暗くなってきたのでヘッドライトがついている。古いレトロな車両のヘッドライトは丸く黄色かった。

夕暮れの空をバックにしたその姿がとてもノスタルジックで美しくて、気づけば私は涙を流していた。

あの電車が、忘れかけていた優しい気持ちを届けてくれた。

赤い電車は歩道橋を揺らして通り過ぎていった。

日が落ちて暗くなってきたので帰ることにした。
息子は疲れたのかベビーカーに乗ってくれたのでスムーズに帰れた。

帰り道の小さなパン屋でプリンとマドレーヌを買ってみた。こんな遅くなのでパンはほぼ売られていなかった。

家に着いたのは18時を過ぎていた。

今でもあの電車を思い出すと涙腺が緩む。

別に流山線ユーザーではないのだが。あのレトロ感にやられたのだろうか。

車買ってから流山線乗る理由がなくなってしまった。乗り心地は良くないけど、流山線はいいぞ。

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