眩しがりの裏ワザ

遠足の集合写真が、小学生の頃から苦手だった。

びっくりするくらい眩しいところで並ばされて、
みんな一応 うわ〜眩しい!無理無理〜!とリアクションはする。
後日、その集合写真を見たら、
信じられない程みんないい笑顔で目が開いてる。
たいして眩しそうでもない。

そして、当たり前のように私は半目、もしくは、頑張って目を開けようとしすぎてシワクチャの顔。小学生にして。

それは、小、中、高、大学のサークルの集合写真と続いた。

気付くのが遅かった。自分は人より眩しがりだということに。
あ〜また変な顔してる、運が悪いのかな、ぐらいに思ってた。
人よりも目の色素が薄いのかな?


社会人になって、会社の旅行があった。
1年目の集合写真は、まだ半目だった。

確か、2年目で気づいた。

4月初旬のいいお天気の朝。
泊まっていた旅館の前で集合写真を撮ることになった。

またみんなが言った。
うわ〜眩しい!!
確かに、とびきり眩しかった。
これはもう、どう頑張っても
絶対私には無理な眩しさだと悟った。

そして、
そんなこと言って絶対に全員ちゃんと目開いてるから!
絶対私だけが半目やから!!
心の中でそう叫んだ。

それは、長年、集合写真をもらった時のあれ?また?なんで私だけ?え?また?
と思い続けてきた、恥ずかしさと落胆と苛立ちが積み重なって
ぐちゃぐちゃになった怒りのような感情。

そしてその瞬間、急に閃いた。



ーーー最初から目を閉じておこうーーー

まずは、普通ににっこりと笑う。
口角をしっかりと上げて、にこやかな笑顔を作る。

最後に、まぶたをしっかりと閉じる。
それだけ。

気をつける点としては、
集合写真は何枚も撮られるものなので、
ずーっと目を閉じていては、何この人、、?!と、
気付かれる恐れがある。

そのため、基本的には目を開けておいて、ハイチーズ!の時に素早くまぶたを閉じる。

口元は動かさない。まぶただけをコントロールする。

それが、プロの眩しがり屋。

後日、会社の方から集合写真をいただいた。

その人は、
ごめんなさい、○○さん(私)だけ目閉じちゃってるんです〜!
と言った。
あ!そうなんですか!全然っ!すみません!
と言って受け取ったけど。

いえいえー!もとから閉じてるんですよ〜!
とは、口が裂けても言えないな。

これが、私の裏ワザ。
恥ずかしっ。

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