見出し画像

四日目 ワクチン接種当日

 いよいよこの日が来た。

 一回目のワクチン接種だ。

 昨日も無事禁酒をクリアした。さらに、いつもより少し早く就寝し、体調保全に務めた。自己管理できるなんて、私も随分成長したものである。

 目覚めたのは六時過ぎだった。いつもより少し多く寝た感じだろうか。

 起きてすぐに検温する。ここ二年、ほぼ毎日欠かさずやっている。よって、平熱は完全に把握しているわけだが、今日はなんと35.7度という数字が出た。いや、お前の平熱、36.5度ぐらいやろ。なんで今日だけそんな低いねん。気合入り過ぎちゃうんか。

 朝の家事を済ませ、朝食を摂り、仕事のメール送信などをして予定より少し早めに家を出た。摂取会場までは一時間半ほどの道のりである。首都圏では人身事故による遅延や運休は日常茶飯事。絶対に遅れたくない場合、かなり余裕をもって行動する必要があるのだ。我ながら、社会人として大変立派な心がけである。

 接種会場周辺には一時間ほど前に到着し、会場には予約時間のきっちり五分前に入った。簡単な手続きを済ませ、廊下にずらりと並ばされた後、ほぼオンタイムで接種ブースに案内された。ブースでは必要書類の確認や検温などがあり、また待つことしばし。接種が終わったのは入場してから二十分ほど後だった。接種後は十五分の経過観察を経て、次回予約を取り、会場からおさらばしてすべて終了。かかった時間は四十分弱といったところか。

 注射そのものの痛みは別にどってことないレベルで、打った直後も特に変わった感じはなかった。

 会場を出て、せっかく繁華街に来ているんだしウキウキ買い物に行きたい気持ちをぐっと堪え、すぐに帰宅の途についた。ワクチンを打ちに来てウイルスを貰って帰るようでは愚の骨頂である。自粛だ、自粛。

 最初の違和感が来たのは、帰りの電車を待っている時である。首の後ろが若干張っているように感じたのだ。だが、これが注射によるものなのか、いつもの肩こりなのか判然としない。

 明らかにワクチン接種の影響と感じるようになったのはそこから二時間ほど経ってからのことである。家についてすぐシャワーを浴びたのだが、腕を挙げようとすると明らかな強張りがあったのだ。痛みではない。ただ、上腕部の注射したあたりを中心に筋肉が硬くなっている、そんな感覚である。

 とはいえ、これは想定内だ。特に心配はしていない。腕がつらい場合に備えて、夕飯には最寄り駅近くのスーパーでお寿司を購入してある。日本酒を一杯、というわけにはいかないが、その代わり高級煎茶を水出ししてある。こういうことだけはマメなのだ。

 さて、明日はどうなっているだろうか。ちょっと楽しみ。

 

「スキ」を押してくださったら人生で役立つ(かもしれない)賢人の名言が出ます。フォローでお勧め本、マガジン追加でお勧めのお菓子が出ます。シェアで明日のランチをご提案。サポート/記事購入でおみくじができます。