02 ダイオウイカは知らないでしょう 西加奈子 せきしろ
電車の中で、思わずワハハと笑いそうになった。いや、実際かなり笑ってしまったのだった。
作家の二人が詠む短歌は、どれも物語がぎゅぎゅっと詰まっていて面白い。歌を互いに披露したあとのトーク部分で、「この歌にそんな背景が?!」と驚くこともこともしばしば。しかも後半になるにつれて短歌技術もどんどん上達して行くようである。
そう、これは西加奈子とせきしろ(短歌初心者)が短歌に挑戦した連載がまとまって書籍化したものである。
時にシュールだったり、切ない、はたまたゲスな(?)作風のせきしろと、元気一杯愛いっぱいな西加奈子の作風はそれぞれに個性的。そんな作品が、ゲストのものを入れて150とか、そのくらいの数載っているのだ。なんて嬉しい!
中でも好きな短歌を二つ。
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「好きな花聞かれてあの娘迷わずにかすみ草って答えはってん!」西加奈子
「夢の中の弟は幼いまま 雪が降っても 雪が降っても」せきしろ
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わはは。別にかすみ草が好きだっていいじゃないか!可愛いし。
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p.s
文庫本が出てるので通勤の時とかにもおすすめ。読みやすい。
美味しいお酒を一杯飲んで、そしてそのぶん幸せになります。一緒に呑みましょう。