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2024/2/3沖縄との出会い3

 ともあれ、バスは5日間過ごす本部町へ向かった。私は久しぶりに会うルリコとの話も弾み、さっきまでのモヤモヤもほぐれていった。初対面の子どもたちとも仲良くなり、当時流行っていたギャグの古今東西で大はしゃぎだった。
「アホちゃいまんねん、パーでんねん。ギャハハハハー。」
女の子たちのばか騒ぎに男の子たちはかなり引いていた。
 バスの窓から見える沖縄の海と空の青さは澄み渡り、太陽は眩しかった。私は沖縄は本当にこんなにも美しいのかとはしゃいだ。ひねくれたところもあった私は、沖縄のポスターやテレビで見る沖縄の美しさは「盛ってあるに違いない。」と勝手に思っていたから、あまりの美しさに感動した。
 しかし、そんな景色の中に不穏な物があった。長い長いフェンスだ。フェンスの向こうには戦車や戦闘機が並んでいる。小学生の私には沖縄についての知識は無く、ただただ恐怖と疑問だけが心に黒い影を落とした。あれは何だ?

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