月曜日の図書館14 春になったら、バケツを持って
あの頃はいつもスギナばかり抜いていた。ほんの少し早く気づけば、つくしだったかもしれないのに、どういうわけかスギナになった姿しか見たことがなかった。植え込みのすきま、のぞけばすでにスギナだった。
スギナは決して根本から抜けることはなかった。どんなに慎重に向き合っても、茎の部分でぷつっとちぎれる。文字通り根絶することは難しく、だからこの行為が終わることはなかった。
もう10年も前、緑が生い茂りすぎていた図書館で働いていた頃のはなし。
駅前にサングラスをかけた強面のおじさんが立っ