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ETF解説シリーズ 「TLT」について

長期で資産運用をするにあたって、投資商品の中身を理解しておくことは重要です。…というのはわかっているけど、実際には複雑で理解するのが面倒だと思います。その結果、「とりあえず買っとくか」or「全てを忘れて遊ぼう」となりがちです…😂
投資商品の理解もなくとりあえず買ったままの場合、暴落した時に買い増す気持ちになどなれないと思います。そうすると長期投資は成功しません。途中でやめてしまいます。だからこそ投資商品の理解が重要なんです。

その課題を解決すべく、「自信を持って投資」できるようにETFの中身を解説します。今回は、長期債券ETFのTLTです。

参考資料

2023年1月時点で公開されていた情報を参考に記載しています。

TLTの概要は上記URLで確認しました。

https://www.blackrock.com/jp/individual/ja/literature/annual-report/ishares-20-year-treasury-bond-etf-annual-report-jp-ja-2021.pdf

詳細情報は運用報告書を参照しました。

債券そのものの理解が不十分な方は上記を確認してみてください。動画がわかりやすかったです。

商品構成

TLTは長期債券のETFでしたね。念の為確認すると、、確かに財務省証券=債券が99.72%を占めていますね。残りの0.28%は少ないので気にする必要がないですね。まだ債券の購入に充てられていない現金などでしょうか。

財務省証券…つまりは米国国債がほぼ全て

「長期」の債券であることも確認しておきます。残存年数が20年以上の長期債券が98.57%とほとんどを占めていますね。

残存年数が20年以上の長期債券がほぼ全て

さらに、それら債券の信用格付けを確認すると、99.72%がAAA(トリプルエー)ですね。つまりは、最上位の格付けで、とにかく安全な債券で構成されているということです。

全てがAAAの債券

組入上位銘柄を見ると確かに、満期までの期間が20年以上の長期債券になっています。

組入上位10銘柄はどれも満期が20年以上先

経費率

TLTの概要ページには経費率が0.15%と記載されています。

経費率は0.15%と表示されている

ただ、運用報告書を見ると、実際はもっと安いみたいです。もし値動きがなかったと仮定すると下のように0.074%程度となります。意外と知られていないんじゃないでしょうか?

$$
0.15×181÷365≒0.074
$$

運用報告書では、実績値と5%のリターンを仮定した値の2パターンが挙げられていますね。

「運用報告書(全体版)2021年2月期(2020年3月1日~2021年2月28日)」より

分配金

私たちが嬉しくなってしまう分配金も見ておきましょう。年間で12回に分けて支払われていることがわかりますね。ただ、商品価格の変動と比べると大したパーセントでもないので、分配金に囚われすぎないように注意です。

「運用報告書(全体版)2021年2月期(2020年3月1日~2021年2月28日)」より

おわりに

TLTを理解するために公開されている情報を確認していきました。TLTは地味ではありますが、株式ETFなどとは値動きが逆になることも多いのでポートフォリオに組み入れるのが王道です。最初は値動きなんて気にしない、株式100%でいい!超長期で投資してるんだから!と思っていても、実際に暴落に直面するとそうはならないものです。TLTを組み入れることで資産変動がマイルドにしてみようかと(そうならないことも多いですが😂)、考えてみてもいいんじゃないかと思います。

ご指摘などありましたらコメントいただければ幸いです。
それではまた。