材料 #毎週ショートショートnote
あるところに、おじいさんとおばあさんが暮らしていました。
ある日、おじいさんは薪を集めに出かけました。
おばあさんのにぎってくれた、おむすびを持って。
お昼になって、おじいさんは丘の上の切り株に腰かけ、包みを広げました。すると、おむすびがひとつ落ちて、ころころと転がり落ちていきました。
ポチャン!
池に駆け寄ったおじいさんは、ため息をつきました。
せっかく、ばあさんが握ってくれたのに・・。
するとどこからともなく、愉快な音が聞こえてきて、目の前で噴水ショーが始まりました。生まれて初めて見るショーに、おじいさんはびっくり。
噴水ショーが終わると、丘の上にとって返し、残りのおむすびも投げ入れてしまいました。また、あの噴水ショーが見たい!
すると今度は、水が俄かに光って、池の中から女神様が現れたのです。
驚くおじいさんに向かって、女神様は聞きました。
あなたが落としたのは、この金の杖ですか、それとも、この木の杖ですか?
「いえいえ、私は杖など落としていません。ばあさんのにぎった、おむすびですよ」
女神様は背中に隠していた、ごはん杖を差し出したのです。
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