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まぜるだけ

子どもと一緒にお菓子を作るときに便利な、インスタント製菓材料(正しい呼称は不明)。その中でも特に有名なのが、フルーチェではないかと思います。

牛乳と混ぜるだけで、半固形のゼリーのようなお菓子が出来ます。牛乳を混ぜているのに、特有の匂いが消えて、代わりにフルーツの味と香りが現れるのが不思議です。

僕が子どもの頃から、TVでCMもしているくらい、長い間多くの人が食べているようです。でも、僕には子どものころフルーチェを食べたことが思い出せません。たまたま忘れてしまったのか、好きではなかったのか。

家で過ごす方法の一つとして、子どもとのフルーチェ作りを採用してみたら、幼いときの記憶がよみがえってきました。

お店の棚に並ぶフルーチェは、何種類かあって季節によってフレーバーも変わり、さらに大人向けといった濃厚なフレーバーもありました。牛乳といえばイチゴでしょ、と浅い考えで臨む僕にフルーチェは容赦なく主張してきたのです。

幸いなことに娘が隣にいたので、選んでもらいイチゴ味を購入して帰宅しました。さっそく作りたい!と言うので、冷やし固める時間も必要だと思って、午前中でしたが作り始めました。

道具や牛乳を準備し、箱から材料を取り出し、箱の裏にあった作り方を読むと、どうやら冷やし固めるお菓子ではなさそうでした。しかし、製作意欲満タンの娘をなだめられるわけもなく、ボウルに材料を入れ「ぐるぐるしてねー」

あっ、という間に完成。しちゃった。

意欲が食欲に代わった娘は、出来立てをすくって口に運ぼうとしていました。あわてて小分けにしてから、冷蔵庫に入れようと提案するも、却下。昼ごはん前にフルーチェを食べると言う、デザート先行型のランチになってしまいました。

このことから、僕にはフルーチェの製作に関する記憶がないことが分かりました。食べた記憶はあるのですが、おそらく友人の家だったのでしょう。いずれにしても幼い子ども向けのお菓子であり、あえて買って作るような経験もありませんでした。

妻は食べたことがないとのことで、牛乳と混ぜることに違和感を感じていたようです。イチゴならミルクと合うけれど、柑橘系のフレーバーもあり、果たして合うのかと言うのでした。

日を開けず、期間限定の柑橘スペシャルを製作してみると、これが美味しくて(笑)

いつしかフルーチェも品薄になり、棚には濃厚シリーズしか並ばなくなってしまいました。しかし、行きつけの100均に、サイズダウンしたフルーチェの箱を見つけたと、妻から報告がありました。

相変わらず、食べる量は娘が圧倒的に多いのですが、子どもの頃からあるけど食べたことなかったお菓子が、大人になったいま、たびたび食べられるのは幸せです。

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