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客を観る視てん

外食が好きです。

もうちょっとちゃんと書くなら、心地よい店で食べる、美味しい食事が好きです。

多くの店の雰囲気は、インテリアや店員さんによって作られるわけですが、もっと重要視するのは、来店しているお客さんたちです。どんな世代が来て、どんな話をしているのか、食べているものは何か、初めての店ではあれもこれも見つめてしまう。人間観察が好きなのもあって、果たしてこの店は自分に合うのか、そんなことを考えながら食べていることが多い気がします。

ここまで書いてきて気がつきました。これは一人で行った時のことでした。家族で行けば、殆ど気にならないこともあります。

別に評論家になりたいわけではなくて、自分に合うお店を見つけたいのです。ネットで高評価でも、合わない店は行かなくなります。「合う店」が見つかると、たびたび行きたくなります。物を買うのと同じで、お気に入りが見つかると、安心だと思うのです。でも、それに絞り込んでしまうということでもあります。

自分に合う店、それは美味しくて、優しくて、静かで、穏やかで、きれいで、楽しい、そんなお店です。もちろん料理の価格も大切な判断材料ですが、高くても残念という店もあるし、高いんだから美味しくなきゃという期待もあります。

なにより、価格帯によって来る客が違ってくるのは体験してみると面白くて勉強になります。

以前、当時の職場近くにあった一軒家レストランを予約してランチに行ったことがあります。価格も高めで、料理のオーダーは前日までに済ませる、そんなお店でした。

ほかのお客さんは、経営者やリタイアした夫婦など。場所柄、高所得者も多く、店内は非常に穏やかでゆったりしていました。その中で、合わないのは僕でした。限られた時間でランチを食べさせてくれとリクエストをして、ほとんど食べているだけの時間でした。

ほんとうに美味しかったけれど、「明らかに時計の違う若造」が食い散らかして行ったような、そんな申し訳なさを感じてしまいました。以来、その店は誰かに紹介することはあっても、自分では行かなくなりました。

消費行動は記号の取得でしかない、と言った哲学者がいますが、自分に合う店はきっと違います。それを見つけるために、店にいるお客を見ているのです。

あれ?自分に似た感じの人が結構いる、と気がついたら、それは「合う店」のサインだと思っています。

そういえば、英語ではcustomと言う言葉もありました。なるほど。

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