駅頭で、ぼくと握手
選挙がありました。選挙があると、投開票の事務を行うのは地方公務員。国政選挙でも、投票所や開票所には各自治体の職員などが配置されています。
僕は昨年の春にあった選挙では、開票所で作業することになっていて、その日の朝、下の子が産まれました。結果や投票率などではない、個人的なライフイベントが起こって、印象深い選挙でした。
今回は、担当決めのタイミングで休んでいたこともあり、特に何の担当もなく、いつもの日曜日。久しぶりに家族で投票所に行きました。
選挙前には夫婦で候補者のことを話し合ったりするのですが、今回は時間が見つけられずに当日の朝を迎えてしまいました。
公報を読み、まとめサイトを斜め読みして、選挙に向かいました。
夫婦で話し合いをしても、お互いに誰に投票するのかは話しません。投票後に、話すことはありますが、それも毎回ではありません。
僕たちの暮らしている地域の開票状況を見ると、1位と2位が僅差でした。民意という言葉は、“投票した人の”を付け足す必要がありますが、民意が見える結果でもありました。
人口が増え、年齢構成にも変化のある街なので、求めるものが違ってきているのでしょうし、不満や疑問に気付ける人たちが多いのかもしれないと思うのでした。
選挙活動ということでは、各候補者が駅頭に立ち政策やら挨拶やらを述べている朝がよくありました。
ある日、そのような状況を見かけましたが、候補者本人はマイクもチラシも持たずに立っていました。
駅に入って行く人に歩み寄って、手を握っていたのです。短い言葉とともに。
握手って、すごい印象に残りやすいんですよね。視覚と聴覚だけでなく、触覚も記憶に残ってしまう。
どうにか通り過ぎることができないだろうかと思いつつも、僕くらいしか駅に向かっていないタイミングで、結局握手を求められて、荷物を持ち替えて握手しました。
思った通り、温かい手の感触が頭に残りました。候補者は、名前も言わず、よろしくも言わず、いってらっしゃい!だけ。さまざまな経験を積んだ方の所作には、説得力があるなと思わされました。
そんなこともあって、ギリギリまであれやこれやと考えて投票しました。結果も、選挙特番が放送されているタイミングでは当確が出せないくらいの接戦。改めて一票の力を見ました。
握手そのものがプラスかマイナスかというよりも、握手したことで「ちゃんと考えねば!」と思えた選挙でした。
最後まで読んでいただき、ありがとうございました! サポートは、僕だけでなく家族で喜びます!