『熱気や緊張感の色が、少しだけ違った』 -W杯予選 スペインvsスウェーデン
最初から、この日は何かが違った。
自分はこれまでリーガやCL、プレミアやアルゼンチンでも、現地でかなり注目の集まるゲームを観戦した記憶があるが、この日の雰囲気は何かが違った。
もちろんこの日は、スペインが来年のワールドカップに出場するかしないかが決まる大一番。
スウェーデンと対戦し、勝利 or 引き分けで、スペインの12大会連続W杯出場が決まる日だった。
それでも、セビージャのセントロですでにアルコールを沁み込ませたファンが作り出す雰囲気は、熱気や緊張感の色が、少しだけ違った。そしてそれは恐らく、試合の重要性に左右されるものではない。
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なんだろうか、あれは。
クラブチームについては基本的に、人々は出身地や家族の “血” に大きな影響を受けながらも、街に出ればいろんなクラブのファンがいる。
それに対してこの日は、街どころか国全体の戦い。
他者として存在するのは、黄色で身を覆い、パリから俺と同じ飛行機ではるばる飛んできたスウェーデン人しかいない。
そして、そんな世界に昨日やって来たばかりの日本人は、もし
「代表のゲームはスペイン人が見るべきだ。チケットを譲れ。」
などと迫られたらどう言い返す方法があろうか、などと考えながら Torre de Sevilla から出てくるラ・ロハの選手を爪先立ちで待った。
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この激戦の様子を伝えるには、文章も俺のGR IIIも向いていない。
ただ試合に関して1つだけ、現地から言えることがあるとすれば…
ラ・カルトゥーハを埋め尽くしたファンを魅了する一番の輝きを放っていたのは、その年齢など微塵も感じさせない、17歳の青年だった。
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