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残業なしでグラフィックデザイナーは成長できるか?

結論から言うと、できる。


私は夜中の2時にミーティングがあるようなデザイン事務所にいたことがある。その時、本当にこの時間じゃないとダメなのか、不思議でならなかった。残業というのは、ようはスケジューリングの失敗だ。進行管理がちゃんとできていれば残業する必要はない。


では残業は本当に不要だろうか?

それは残業の定義による。


そもそもデザインは、Macで手を動かしている時だけを指すわけではない。けれどそれこそがデザイナーの仕事だと思っている人は多い。デザイナー以外の人も、デザイナーですらそう思ってる人がいるように思う。駆け出しでまだリサイズが主な仕事なのだとしたら、しかたないけれど。残業=会社にいること(Macで作業すること)。この定義の職場環境であれば、今すぐ残業ゼロにすることをお勧めしたい。


目的に合わせて、どう伝えるかがデザインの本質だ。考えたり、調べたり、再構築したり。デザインを形にするまで時間がかかる。帰り道やお風呂の時間に、アイデアがまとまったりヒントを見つけてしまう、仕事とプライベートが混じり合った生活。ゆっくりと考えを熟成させる工程は、デザインする上でとても大切なのに、残業にカウントされることはないと思うと、ちょっとせつない。


会社は定時までいればいい。残業ゼロでもグラフィックデザイナーとして成長できるのは間違いない。会社にいなくてもできることは、存外多い。長時間座りっぱなしなんて、集中力も低下するし身体にも悪くて、良いことない。


スポーツは根性論が主流だった。それが今や、練習時間の長さだけが正義ではないことを誰もが知っている。デザイン業界もそろそろ「徹夜上等!」を考え直す時期がきているんじゃないか。デザイナーだって、もっと家族との時間を大切にしていいし、自分の心と身体を労ってもバチは当たらない。自由な時間から得たインプットが、次のデザインにつながればいい。

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