見出し画像

フランス人彼氏との共同生活におけるお財布事情。

普段こちらでは"彼氏"と呼んでいるうちのフランス人ですが、彼はいつも私をワイフと呼んでいます。

というのも、私たちは数ヶ月前にフランスの制度である"Pacs"と呼ばれる契約のようなものを結んでいます。彼の中では正式なカップル=マイワイフらしい。

ちなみにPacsとは同棲しているカップルが一定の権利を得て共同生活が滞りなくできるための制度で、日本語では民事連帯契約と呼ばれるもの。

結婚ではないのだけど、正式なカップルであるという法律上のステータスになっていて、税金や社会保障など結婚しているカップルと同様の扱いを受けることができます。

Pacsしたらハネムーン休日ももらえる。海辺でのんびり過ごしました

生活費の分担はこんな感じ

ということで正式なカップルとして共同生活を送る私たちですが、お財布は完全に別々です。

内訳としては、

光熱費   €200 (彼100%)
食材費   €350 (半々)
外食費   €300~400 (彼7割、私3割)
日用品費  €50~100 (半々)
旅費    半々

趣味や洋服、美容等にかかる費用は各自支払い。

現在のお家は彼の所有なので家賃等はありませんが、税金等の固定費や修理費など、家にかかる費用は全て彼が支払っています。

医療費は保険で賄われるのですが、私はフランスの公的医療保険+彼のプライベート保険に家族として加入しており、そちらも彼が支払っています。

こうして見てみると彼の負担が多いですが、いかんせん私は現在VISAの関係で働けないので仕方ない、、と思うことにしています。

現在は常に一緒に買い物をするので支払いの分担はかなりフレキシブルですが、私が仕事を始めれば共同口座を作ったらいいね、と話しています。

そうすればお互い一定額を口座に入れて支払いができるので便利かなあと。


デ・コンシューマリズムを地でいくフランス人

先ほどの内訳に加えて各々好きな物を買いますが、彼も私も大量消費主義ではないので本当に気に入ったものがある時くらいしか買いません。

特にうちのフランス人は服を滅多に買わない。

買う時は高くても質の良いものを、シンプルなデザインで飽きのこないものを選んでいます。

彼のクローゼットには5年以上着ている服も少なくないですが、綺麗に手入れをしており今でも色褪せや型崩れすることなく着られるようです。

そんなうちのフランス人、"デ・コンシューマリズム"、持続可能で質の高い生活を追求しているのかと思いきや、単に"めんどくさがり"なのだと彼は言う。

「買い物嫌いなんだよ。選り好みするから気に入った物を探すのに時間も体力も使うんだ。買い物したくないから長く使える物を選ぶんだよ」

ああそうですか、、

でもなんやかんやうちのフランス人に影響されて、それが経済的で効率的なのかも、と思い出した私。

以前は値段に影響されて選ぶことも多く、結局満足できなくてまた違う物を買ってしまうという繰り返しでした。

それが最近は高くても質の良い物を、と意識して買い物するようになり、そうしたら自然とお金を使う機会も減ったような気がします。

自分が満足して選んだ物に囲まれているからか、無駄な物欲が湧いてこなくなりました。

今まで私にはなかった価値観をもたらしてくれたこと、これ実は彼に感謝していることの一つです。

カップル間でお金のトラブルを作らないために気をつけていること

どんなに親しい間柄でもお金の話ってしづらいものですよね。

ただうちのフランス人は完全にオープンブックです。なんでもかんでも話してくる。

そんなわけで彼の給料明細や銀行口座の残高等も把握しており、嫌でも彼の収支状況が分かってしまう。

そのため、彼の支払い分担の方が多い現在は、彼に負担がかかり過ぎていないかということをいつも気にかけています。

今月支払い多かったな、と言う時は私が外食費や雑費を多く持ったり。

支払いの分担と言っても、特に話し合って決めているわけでもないので、お互いの懐状況を鑑みて負担がいかないように配慮しています。

そして彼も私がお金の話は苦手なのを知っているので、懐が寂しくなった時は彼が自己申告してくることも少なくないです。

彼は率直に
「今月使い過ぎちゃった。えへ。でもあれ食べたいからマイラブが僕をレストランに招待してくれる?」

とハート付きのトーンで催促してきます。

こちらとしては分かりやすくて大変ありがたい。

そして大きな買い物をする時はもちろん事前報告するのですが、出かける時はいつも一緒で
「これ買いたいんだけどどう思う?」
と聞き合いっこしながら考えるので、今の所トラブルになったことはありません。

特にうちのフランス人は分かりやすくて、欲しいものがあるとお店を回って何度も何度もチェックします。

どれでもいいからはよ買えよと思うくらい。

アームチェアを買った時は何軒も回って"よしこれだ"と決め、その決めたお店にも4、5回戻って"やっぱりこれだ"と確信しようやく購入。

「新しいアームチェア欲しいんだよね」と言い出してから数ヶ月かかりました。

最近はお気に入りのベッドスタンドを見つけるべく探し回っています。


私個人のお財布事情

私は現在働いておらず固定収入がないので、支出は全て貯金切り崩しです。

もともとあまりお金を使うタイプではなかったので幸いいくらか貯金はありますが、収入がない状況でお金がどんどん出て行くのが心許ないのは事実でして。

不安になってイライラしてしまうこともありますが、私の心を見透かすのが得意なうちのフランス人は、「お金なんていつでも稼げるから。心配しなくて大丈夫だよ」とフォローしてくれます。

それでも、私が働いて収入があればもっと旅行したり将来のために投資に回したりできるのになあ、と申し訳なく感じる時もあります。

家族として二人で人生を作っていきたいと思えば資金が必要だし。

もうすぐ家族VISAに切り替えてそうすれば就労可能になるので、最近は「なんでもいいから早く仕事したい」とよく言う私ですが、

「やりたいことを探せばいいよ。たくさん稼いで欲しいなんて思ってないし。あんずが満足する仕事が見つかればいいね」

そう言ってプレッシャーをかけないでいようとする彼の姿勢にはとても感謝している。


終わりに

ちなみにフランスの年金制度はしっかりしているようで、以前彼が”何歳まで働いたらいくらもらえる”という一覧表を見せてくれました。

一定の年齢まで働けば今の手取りと同じくらいの金額がもらえるようで、そのため彼には老後への貯蓄という考え方はない。

ただ毎月一定額を投資に回したり、生命保険に加入していたり、経済的にとてもしっかりしているうちのフランス人。

「僕が突然死んでも家族が困らないようにしてるだけだよ」
と、当たり前のことだと彼は言う。

こうやって金銭面でも心から信頼できるパートナーがいて幸せだなあと思う。

仕事を持てない、収入がない、というのは大きな不安だけど、彼との将来のためなら辛抱強くなろうと思える。

私に安定した収入ができればまたお財布事情を振り返って見たいと思います。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?