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2022の風景

あっという間だったような、
長かったような1年。

途中から時間と時空の概念とは一体なんなのか、
毎朝起きるたびに生まれ変わってしまってるような感覚でした。

時々、ふと心と体は別々の場所に
いってしまうようで
ふたつを今に存在させることに一生懸命でした。

いまの景色。いまの香り。
いまの目の前の人たち。いまの自分の気持ち。

そんなことを味わえる瞬間に、
二度と戻らない過ぎゆく時間が美しすぎて

それに気づくたび、世界は美しいなあと
ひたすら感じていました。

ありがたいことに自分の人生の中で
一番充実していた1年でした。

そのすべてが初めての経験の連続でしたが、
そのすべてが楽しくて仕方なかった。

この1年見てきたもの、
感じたことを書いてみます。

まずはおととし活動をはじめて、
一番最初からお世話になっている
新宿ダイアログさんで

アルコールインクアートのゆりえさんと
ダブルワークショップを開催しました。


その後、アーティストのRyoさんに声をかけていただき

宇フォーラム美術館で初めて
空間演出のお手伝いをしました。



この時点で香りの演出は初めて。

右も左もわからないけれど、
声をかけてもらったときは「やります」
と気がついたら答えていました。

やってみたいことに変わりはない。
だけど、どうやってやるかはわからないから
みんなに聞きながら、やりながら考えてみよう
最初は本当にそんな軽い気持ちでした。

実際に足を運んでみると
宇フォーラム美術館はすばらしかった。

美術の研究活動、展示活動を行う美術館で

私が任されたのは
平松輝子さんのギリシャ神殿の前で行う演奏会の演出のお手伝いでした。

私は空間が素晴らしすぎて圧倒されて
ひとりその神殿の絵の前で、
うまくいくのか、これから自分がやることが怖くなったのがわかりました。
突然、自分が評価されるのが怖くなったのです。

Ryoさんにやっぱり私にはできません、と言って
引き返すなら今だなあと思ったのを覚えています。

そう思って立ってると「お茶いかがですか?」と横から声をかけてくださり、

私は言われるがままにオーナーさんが
淹れてくれたお茶を飲みながら、
この美術館の成り立ちや平松輝子さんのお話を
たくさん聞きました。

そのお話がどれも興味深くて
もっと知りたくなり、帰る頃には、ここでチャレンジさせてもらえたらいいのかもなぁと考えていました。

そんなことを考えながらもぼんやりしていたら
「出演者の衣装合わせがあるからきてください」と連絡があり

国立のagréable*muséeさんへ

この頃 私は初めての場所、初めて会う人には
とにかく緊張するタイプで

自宅から国立に着くまで
だいじょうぶを呪文のように何度も呟いて
いました。

agréable*muséeの妙香さんと歌い手のUjuさんと
出会った記念すべき日です。


リトアニアのデザイナーGIEDRIUS さんが
手掛けるリネンのデザインの美しさ
本当に価値ある服に袖を通した瞬間の
今まで自分が着ていた服とは全く違う服だ、と
はっきりわかる体験をしました。

服は人生を変えるって本当なんだなと思います。
(こんな服を毎日着る人生を送りたい!)


そんな素敵な時間をすごさせてもらってると、
あの美術館でやってみたいことが降ってきました。

大きな木蓮を使いたかった。

本番まで蕾で、本番1時間前くらいから、
花を咲かせる工程がうまくいったら

ライブ中は満開の木蓮と水墨画の
ギリシャ神殿が美しいだろう。

香りは「Requiem 祈り」がテーマだったので、実際に教会でも焚かれているフランキンセンスをメインにブレンドして
木蓮と香りで会場を神聖な空間にしました。

このときの感情を今だに思い出せるくらい、本当に自分自身、
大きなチャレンジをさせてもらったと思っています。

それまではRyoさんとUjuさんの音楽が好きで
何度か見に行ってたので、

大好きなアーティストさんのライブを
大切に演出したい。でも私にできるのだろうか。が
500回ぐらい頭のなかを駆け巡り、

その度、きっと不安な顔していた私に
「自由にやっていいから」と声をかけてくれ、
なんでこんなに相手に委ねることができるんだろう
信頼してるんだろうと嬉しさ半分、
不思議さでいっぱいでした。

私はこのとき初めて自分の世界を表現するって経験したんだけど、
こういう感じなんだと、体感しました。


「自分にもできる」と、また呪文のようにつぶやきながら
これで大丈夫、と自分を信頼できるまでひたすら行動して準備しました。


Ryoさん、Ujuさん、妙香さん。
貴重な体験をほんとにありがとう。

私の香りで演出する旅は
ここから始まるのです。



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