但東フィールドワーク -農村歌舞伎舞台-
豊岡演劇祭2022に参加することになり、但東でのフィールドワーク、リサーチを開始しました。
おそらく長い時間をかけての創作になるだろうと思いますが、少しずつこの土地を知っていくことができたなら。
これからのために、その都度リサーチのメモ、覚書をしていこうと思います。
【リサーチした場所】
・一宮神社
・日出神社
・岡神社
・安牟加神社
・大生部兵主神社
・二宮神社
・佐々伎神社
・平田 春日神社
【一宮神社】高橋地区 久畑
一宮神社には大きなケヤキの森があり、一歩踏み込むとどこか深い呼吸のできる場所だった。奥に進むと慰霊碑があり、のちに調べると高橋地区の集落の人々が満州開拓団として渡り、敗戦と共に自害した哀しい歴史があった。目には見えないが、この集落の人が手入れをして、今でも通い、祈る場所としてあるのがわかる。
大きな蛇の脱皮したあとがあり、少しゾッとする。マムシも出るらしい。
【日出神社】資母地区 畑山
【岡神社】合橋地区 唐川
民家のほど近くにあり、そばに川が流れている。
狛犬の目が青く、愛嬌がある。
【安牟加神社】資母地区 虫生
この神社にある舞台は程よい大きさで、建物も他のものに比べて古いが、しっかりしている。
お社のつくりが二棟に分かれていて立派。
珍しく狛犬が子連れ。
【大生部兵主神社】高橋地区 薬王寺
ここは農村歌舞伎舞台ではなく、神楽殿。1864年建立。
狛犬の形が変わっている。
牛頭天王 牛の神様。
【二宮神社】高橋地区 後
かなり急な坂を登っていく。
この後地区には昔お城があったそうで、石碑がある。石坪若狭守墓。
【佐々伎神社】高橋地区 佐々木
かなり長い石段。高い場所にある。
子供たちの落書きがここは多く残っていて、遊び場として使われていたのではないかと思われる。
石段を登る途中に現れる「なんじゃもんじゃの木」
但東の民話のなかにも縁結びの話で出てくる。
【春日神社】高橋地区 平田
君が代の石碑と日本国旗が掲げられている。
境内は少し開けた感じで高台にある。
これ以外にも多くの寺・神社が但東にはあり、農村歌舞伎舞台は現存しているもので19棟の歌舞伎舞台と2棟の神楽殿(1999年調査時)
さらに古い時には30棟ほどあったという。
ここまで多くの農村歌舞伎舞台が残っているのは珍しく、昔は各地に同じように農村歌舞伎舞台や舞堂と呼ばれるものがあったそうだが、時代と共に保存が難しくなり壊されたり、他の用途で使用されたりと変わっていってしまったそうで、但東の場合は「残されてきた」というのが一つ特徴的。
但東町は京都と兵庫の境にある土地で、丹後・丹波など京都の影響を大きく受けている。
しかしながら、京都には吸収されず、また豊岡市が合併しても他の市区町村と比べ少し異質な存在としてある。
その「はざま」の土地であり、古くから出石藩と京都の都をつなぐ街道として人が行き交う土地であった。
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