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【退職届の書き方】封筒や便箋選び・書き方や封筒の入れ方について具体的に解説

お疲れ様です。もなきです。転職エージェントをしたり、スタートアップ企業の採用のお手伝いをしたり、採用動画のプロデュースをしたり、YouTube(名もなき転職チャンネル)をしたりしています。

YouTubeで話している内容を文字でもお伝えしている「名もなき転職マガジン」。今回は「退職願や退職届はどうやって書くのか」について書きたいと思います。

さてさて、以前にこんな動画を撮りました。

よければこちらも見ていただけたら嬉しいです。その際は退職を円満に認めてもらうための、上司との口頭での交渉について、実演形式でお伝えしました。

こちらの動画から派生して、とある求職者さんから質問もらったのが

退職願や退職届って出した方がよいのでしょうか?

という質問です。僕自身は過去に2回退職を経験しているのですが、退職願や退職届を書いたことってなかったんですね。つまり、口頭での申し出や、社内のワークフローでの手続きのみで完結しちゃいました。同じような方もいるかと思います。

ただ、色々話を聞いていると、特に昔ながらの会社に勤めていると、まだまだこの退職願や退職届って出すパターンがあるようです。

そこで今回のnoteでは

・そもそも退職願や退職届の違いは何?
・退職願や退職届をどう書いたらよいかわからない

そんな方へ向けて、分かりやすく解説したいと思いますので、お付き合いください。

▼動画や音声で試聴される方はこちら▼

【1】退職願と退職届の違い

そもそも、退職願と退職届、あとは辞表って、ごっちゃになりやすいですよね。

先日「東京男子図鑑」っていうドラマをアマゾンプライムで見ていたのですが、主人公の男性が務めていた会社を辞めるために、スマホでググっていたのが「退職願 書き方」というワードで、手書きで退職願を便箋で書いていましたね。

まずはそれぞれの違いについて、簡単に解説します。

①退職願
まず「退職願」について。これは、その名の通り、退職を「願い出る」ための書類です。所属している会社に対して「労働契約を解除したい」旨を申し出るための書類です。これは「願い出ている」ものなので、会社が承諾するまでは、提出した人の方から撤回することも可能、とは言われているのですが、だからと言って気軽に出してもよいものでは勿論ないので慎重に判断してください。

②退職届
次に「退職届」について。こちらは、退職を「承認された後」に提出する文書です。あくまで、退職について合意を取れた後に提出する書類なので、いきなり退職届を提出するのはよろしくない、と言われることが多いですね。こちらは、受領された後、つまり相手が受け取ったあとは撤回することはできず、受領後は一定の日数を経過することで退職ができます。民法の627条では、退職の申し入れから2週間を経過すれば退職できると規定されています。

③辞表
あとは、よく間違えてしまうのは「辞表」です。これは、社長や取締役のような役員または公務員が職を辞める際に届ける書類で、サラリーマンとして一般の社員として働いている方は当てはまらないので、うっかり「辞表」と書かないように注意してくださいね。

そう考えると、よくドラマとかで、上司が退職の申し出を認めず「これは一旦、俺の方が預かっておくから」とか言って、ジャケットのポケットにしまったり、引き出しに入れておいたりするあのシーンの封筒には、「退職届」でも「辞表」でもなく「退職願」が書いてある可能性が高いってことになります。

【2】「就業規則」の確認は不可欠

先ほど「民法では2週間を経過すれば退職できると規定されている」と書きましたが、その際に考慮しなければいけないのが「就業規則」です。

従業員が会社と結んでいる「就業規則」には、たいていの場合退職に関する事項も記載されています。そこには退職希望日の何ヶ月前または何日前までに退職願を提出するという期日が記載されていることが多いです。なので、所属している会社の就業規則は、退職交渉をする前にかならず確認をするようにしましょう。

あと、ここは少しマニアックな話なのですが、よく論点に上がるのは「就業規則と民法はどっちが優先されるべきか」という話です。これ、一見「民法は国が定めているものだから民法の方が優先でしょ」って思っちゃいがちですが、実は裁判例でも学説でも解釈が分かれていて、難しい問題みたいですね。

ただし「民法627条は任意規定であり、就業規則の定めの方が優先される」との考え方が主流のようです。労働局のHPにも「会社の就業規則に退職について規定されている場合は、原則として就業規則の規定が適用されます」と書いてあります。

「え、そうなると、就業規則で退職日の1年間前とか無理な期間を記載していたらどうなるんだよ?」ってなっちゃうかもですが、就業規則で極端に長い退職申入れ期間を定めている場合などは、労働者の退職の自由が極度に制限され、公序良俗の見地から無効とされる場合もある、という見解が多いようです。

「いや、公序良俗の見地ってなんだよ!」って感じですが…ざっくりまとめると、就業規則の退職日までの期間があまりにも無理なことを言っているのでない場合には、その期間を優先して退職日を願い出る方が、円満退職を考える上では無難だよということです。 

【3】退職願と退職届の作り方・書き方(用意するもの)

では次に、退職願や退職届の具体的な作り方、書き方について解説していきます。

まずは、順番についてです。先ほど、退職願と退職届の違いはお伝えしましたが、どちらも提出すると考えると、スケジュール的にはこちらのようになります。

①退職の意思を固める
②退職願を作成する
③退職の意向を上司に伝える(ここで退職願を渡す)
④退職の承認をもらう
⑤退職届を作成し、提出する
⑥引き継ぎや退職手続きをおこなう
⑦最終出社日
⑧退職日

こんな流れです。では、具体的に退職願や退職届を作っていきましょう。

用意するもの

まず用意するものはこちらの3点セットです。

①用紙
②封筒
③筆記具

①用紙

まずは用紙です。これはB5またはA4の白い便箋です。罫線入りのものでもOKですが、あまりポップ過ぎずにフォーマルなものがよいです。前に彼女にラブレターを書いたディズニーの便箋あるじゃん、あれを使おうっと、って思った方、それじゃない方が無難じゃないかなw

②封筒

次に封筒です。これは、白い無地の二重封筒です。無地っていうのは、郵便番号の欄がないもののことです。用紙がB5の場合は長形4号、A4の場合は長形3号が、三つ折りにした時にきれいに収まるサイズです。

さらに、これは「二重封筒」がよいそうです。二重封筒って聞き慣れない言葉だと思うのですが、中身が透けないように二重の構造になっている封筒のことで、あらたまった用件の時に用いるのがふさわしいとされているものです。無地の二重封筒なんて、人生の中で退職願や退職届くらいしか使わないんじゃないかなって感じですよね。

これ、普通にコンビニに売っているのかな?って思って、近くのコンビニを回ってみたのですが、近所のコンビニには売っていなかったです。文房具屋さんとか書店とかには売っているかもしれないのですが、アマゾンには売っていたのでネットで注文したい方は以下にリンクを貼っておくのでそちらを見てみてください。

長形4号(用紙がB5サイズの時に使用)
※すいません、100枚入りのしか見つかりませんでした。。

長形3号(用紙がA4サイズの時に使用)※こちらは10枚入り

③筆記具

最後に筆記具です。これは、黒のボールペンか万年筆がいいそうです。いや、万年筆なんて持ってないよ!って方、僕も含めて多いと思うので、多くの場合はボールペンですかね。擦ったら消えるタイプのではないボールペンにしましょう。ちなみに、筆ペンやマジック、サインペンは、文字が目立ち過ぎてしまうので避けた方がよいそうです。

【4】退職願と退職届の書き方(具体的な書き方)

次に、書き方についてです。まずは、封筒から書きましょう。

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表面に、退職願、または退職届と書きます。縦書きで、文字の下が真ん中に差し掛かるくらいがよいです。宛名は書く必要はありません。そして、裏面には自分の部署名と名前を書きましょう。

次に、用紙への記入です。横書きよりも、縦書きの方が一般的だそうです。そして、手書きの方が多いそうです。こんな感じですね。

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まずは右側に「退職願」や「退職届」と記載します。

次に、1行目の下詰めで「私儀」と書きます。これは「わたくしぎ」と読むそうです。意味は「私事ですが〜」ということらしいですね。いや、こんな言葉、日常では使わないっすよね。

そして「このたび一身上の都合により」から文章を始めます。ここは、会社都合退職の場合は、部門縮小のため、とか、事業所閉鎖のため、などを書きます。

そして、退職希望日を記載します。「退職願」の段階ではあくまで希望日です。先ほどお伝えしたように、就業規則の記載内容を鑑みて、まずは希望日を入れます。「退職届」の場合は確定日付を入れます。

そして文末。ここは「退職願」の場合は「お願い申し上げます」で締めます。「退職届」の場合、文末は「退職いたします」と断定的な書き方にすします。

そして、自分の部署名と名前。名前の下に捺印。シャチハタではなく認印です。

宛名を最後に書きます。ここは、直属の上司ではなく、会社の代表者の名前です。多くの場合は代表取締役ですね。「様」でもいいですが、色々なサイト見ると「殿」で書く方が多いみたいです。

そして、書いた上で三つ折りにします。

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まずは、下から3分の1を折ります。そして上から重ね合わせます。そして、★の部分が封筒の裏面の右上に来るように入れます。糊付けをして、「〆」を記載します。(ちなみに僕は今でもこの「〆」っていう字が上手に書けず、お魚みたいなマークになっちゃいます)

これで完成です!

【5】円満な退職はとても大事

はい、いかがでしたでしょうか。
本日は「退職願や退職届はどうやって書くのか」という話を書きました。

今回のnoteでは、そもそも「退職願」や「退職届」を作る前提で話を進めましたが、別にこれらの書面を作らないで、口頭やメールでも退職の手続きは可能です。

退職交渉は、難しくいうと「雇用契約の解消を、従業員側から申し出る」ということです。この契約をどうやって結ぶかは「当事者間での自由」で、退職願や退職届も自由に書いていいものです。

なので、今日は、封筒はこれで、書き方はこれで、、、などあれこれ書きましたが、結局は自由なんですよ。じゃあ今回のnoteで話したことはなんだったのさ、と思っちゃいますが、とはいえ今いる会社への恩もあるので、きちんと失礼のないように進めたい、もしくは不備があって出し直しになることを避けたい、そんなふうに考える方も多いので、今回のnoteを出しました。

やはり退職するのであれば、今いる会社と円満にお別れしたいですよね。

最近では、レファレンスチェックと言って、所属していた会社に、その方の働きぶりなどを確認するということも増えてきています。その際に「あいつは不義理な辞め方をしたやつなんですよ」みたいなことを言われるような関係で終えてしまうと、後々の転職活動でも苦労することになります。

確かに退職交渉は精神的な負担が重いものでもあるので、退職代行みたいなサービスもあります。どうしても会社が辞めさせてくれず、そのまま残ることで精神的にも肉体的にもきつくなってしまうのであれば、そのようなサービスを利用する選択肢もあるかもしれないですが、僕はそれは最終手段だと思います。可能であるならば、きちんと誠意をもって、退職交渉のステップを踏んで、送り出してもらうことをお勧めします。

本日の話が、何かの参考になれば幸いです。


今後も、このnote(名もなき転職マガジン)では、転職やキャリアにまつわる話を発信していきたいと思います。ぜひnoteやマガジンをフォローください。尚、今回の内容は以下の動画でも見ることができますので、よろしければぜひ高評価とチャンネル登録お願いしますm(_ _)m

▼今回のnoteの内容について話した動画

それでは、みなさん、良い1日を。

もなき

サポート金を元手にその方とランチに行きたいです(都内のみ)つまり、500円が1,000円のランチに化けます。