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キャリアは偶然の出来事で決定する(計画的偶発性理論)

お疲れ様です。もなきです。
転職エージェントをしたり、スタートアップ企業の採用のお手伝いをしたり、採用動画のプロデュースをしたり、YouTubeをしたりしています。

今日は「あなたのキャリアは偶然で決まっている」という話について書こうと思います。

これは、スタンフォード大学教授のクランボルツ氏が提唱する「計画的偶発性理論」に基づく話です。え、なんか難しそうだな、理論とか聞くと眠くなるので無理…って思ってこのnoteを閉じようと思ったそこのあなた!ちょっと待ってください。

この「計画的偶発性理論」の考え方のエッセンスを知っているかどうかで、あなたが日々、仕事や情報や周りの人とどう向き合うのかが変わり、今後のキャリアに対して好影響を与えることができるので、ぜひ最後まで読んでいただけると幸いです。

◆キャリアの8割は偶然で決まる

「計画的偶発性理論」は、スタンフォード大学で教授をしていたクランボルツ氏が1999年に提唱した理論です。

クランボルツ氏

内容は超簡単に言うと

キャリアは意のままにコントロールできない。
8割は偶然の出来事によって決定される

ということです。

現代は、VUCAの時代と言われています。

V:Volatility(変動性)
U:Uncertainty(不確実性)
C:Complexity(複雑性)
A:Ambiguity(曖昧性)

こんな時代なので、そもそも自分のキャリアをコントロールして計画通りに進めることなんて無理なのです。なので結局キャリアの8割は偶然の出来事の積み重ねで構成されているんだよ、という話です。

ブーカ、ぶーか、VUCAとバカみたいに言われている最近に提唱した理論じゃなくて、今から20年以上前にこの理論を考えていたってクランボルツ氏、スゴいですよね。

20世紀までは、将来の見通しが比較的立てやすかった時代でした。なので、「いい学校に行って、大きな会社に入って、出世していって、計画的に人生を歩んでいきなさいよ」と学校や親から教わっていました。

ただ、現代のように、刻一刻と変わるVUCAの時代では、その考え方は大きく異なってきます。終身雇用が崩壊し、IT革新により社会は日々大きく変わっています。今この2020年時点でもかなり便利な世の中になってきてはいますが、今後10年でどんな社会になるかは予想ができません。

なので、今は将来の計画やゴールを立てすぎても意味が無いのです。

おいおい、ちょっと待ってくれよ。これまでのnoteで、自己分析や企業研究を通じて、自分のキャリアの目標やゴールやをちゃんと決めた上で転職活動を進めていこうねって言ってたじゃないか。それを覆しちゃうの?って思ったかもしれません。

安心してください。クランボルツ氏が唱える「計画的偶発性理論」は、決して「夢や計画は描いても意味が無い」ということは言っていません。キャリアというものは、そもそも偶然に左右されるものだという前提に立った上で、「漠然とした方向性」だけ決めた上で、「良い偶然」を引き寄せられるように頑張ろう、ということを言っているのです。

◆「良い偶然」を手に入れる5つのポイント

では、その「良い偶然」と出会うにはどうしたらいいでしょうか。クランボルツ氏は、ただ偶然を待つ、偶然に流されるのではなく「自ら偶然を生み出す」ことが重要であると考えます。

え、「偶然を生み出せたら、それはもはや必然じゃないの?」って思ったかもしれません。これは、必ずしも偶然を生み出す行動をしたとしても、その偶然が起きるとは限らない、なので結果的に起こるかどうかも偶然なのだ、ということです。

じゃあ、その良い偶然の出来事を生み出すためのポイントは何かというと、この5つです。

①好奇心
②冒険心
③楽観性
④持続性
⑤柔軟性

です。ざっくりと解説すると、

①好奇心:絶えず学習し、新しいことに興味関心を持とう
②冒険心:失敗を恐れず、まずはやってみよう
③楽観性:クヨクヨせずにポジティブな姿勢を持とう
④持続性:納得いくまで飽きずにやり続けよう
⑤柔軟性:過去にこだわりすぎず、謙虚な姿勢で意見を受け入れよう

ということです。

優秀なビジネスパーソンであれば、当たり前に見える5つかもしれないですが、これらを持ち続けることで、良い偶然が生み出されていくということです。

◆目標は持たなくてもいいのか?

そもそも、キャリアの8割は偶然で決まるなら「目標とか計画は不要なのか?」というと、そういうわけではありません。要は「目標や計画にとらわれすぎない」ことを、クランボルツ氏は薦めているのであって、「漠然とした方向性」は決めておいた方がよい、と伝えています。

ちょっと分かりづらいので、身近な具体例で考えてみます。

例えば、あなたが今東京駅にいて、新宿駅まで歩いて行くとします。スマートフォンに頼らずにまずは歩き出すとしたら、東西南北どっちにまずは進めばいいのかは分からないと、歩き出しが困難ですよね。実際は、とりあえず西に向って歩いて行けば多少の回り道はしたとしても、新宿まで7キロくらいなので辿り着くと思います。その時に、先ほどの好奇心や冒険心、楽観性や持続性、柔軟性という5つの武器を持っていると、たまたま通りがかった素敵なカフェや雑貨屋さんを見つけたり、たまたま道を訪ねた人と素敵なご縁につながったりするという偶然が生まれるかもしれません。

矢印

もう少しビジネス寄りの具体例で考えてみると、例えば3年後に何かしらで起業したいな、くらいの漠然とした方向性を考えていたとします。それに向けて、先ほどの5つを持って日々過ごしていたら、SNSでの発信内容や参加するWEBセミナーが変わったり、現職での思い切ったチャレンジをしてみたりすることで、人との出会いやビジネスのチャンスに偶然出会うことに繋がるかもしれません。

よく、ビジネスで成功している人が「運と人に恵まれました」なんて話しているのを見たことがある人も多いと思います。その人達は、ビジネスがうまくいったことや人と出会ったという「結果」の部分を切り取って話しているのでそのように回答していますが、実際にはそこにいたるまでに、好奇心や冒険心、楽観性や持続性、柔軟性という5つを少なからず持ちながら行動してきた、だから成功しているんです。

運がいいなぁとか、人に恵まれてていいなぁとそこで思って思考停止していたら、あなたは何も変わりません。

◆無駄な経験なんて無い

はい、ということで今日は「あなたのキャリアは偶然で決まっている」ということを、「計画的偶発性理論」を元に話しました。まとめると

・キャリアの8割は偶然によって決まっている
・良い偶然を創り出すためには好奇心、冒険心、楽観性、持続性、柔軟性を
 持つことが大事
・未来は変則的なので、目標や計画にこだわりすぎてはダメだが漠然とした
 方向性は持っていた方がよい

ということです。

最後に、ちょっとだけ僕の話で補足をさせてください。

僕は、リクルートキャリアに2007年に新卒で入社したのですが、最初の配属はキャリアアドバイザーの営業企画の部署でした。

営業企画というとちょっとクレバーに聞こえるかも知れませんが、当時Excelもパワポもろくに使えず、HRについての知識も経験ない新卒入社の僕が、1年目で主業務として振られたのが「キックオフイベントの運営」でした。当時そのキャリアアドバイザー組織だけで数百人いたのですが、3ヶ月に1回のキックオフイベントへ向けて、たくさんの雑務をしていました。周りの同期は、営業で初受注とかをして売上をもたらしている中で「何で自分はホテルの会場下見に行ってるのかなぁ」とか「懇親会のチーム分けのためのトランプを東急ハンズに買いに来てるのかなぁ」とか「バスの座席表をつくっているのかなぁ」思うことが毎日ありました(笑)

悩む

ですが結果的に、それらの仕事を通じてキャリアアドバイザーの人達に「もなき」を認識してもらえるようになり(森という名字よりも先行して「もなき」で覚えてもらっているケースが本当に多かった)、その後マーケや法人営業に異動した後も、頼み事をしたら快く協力してもらえる人間関係が築け、それは僕の大きなアドバンテージになりました。

すっごい懐かしいですが、僕がエムスリーキャリア時代にインタビューされた記事でその辺りのことを話していたので、リンク載せておきます。

「そんなの結果論だろ!」って思うかもしれません。でも、自分が今置かれている状況を嘆いたり文句を言っているだけだと、何も進まないですし、良い偶然は生まれません。

今回の「計画的偶発性理論」になぞらえるなら、好奇心、冒険心、楽観性、持続性、柔軟性の5つが、現在の仕事だとどうしても機能するのが難しいということであれば、転職することも一つの選択肢として持つことはありだと思います。

ただ、少なからず5つの要素を持てているのであれば、今の会社にいたまま、良い偶然を創り出すために努力していった方がよいのではないでしょうか。

今回のnoteを読んで「今の自分が置かれている環境をポジティブに受け止め、みなさんの良い偶然が生まれていくこと」を願ってます。

今後もこのnote(名もなき転職マガジン)では、転職やキャリアにまつわる話を発信していきたいと思います。尚、このnoteで配信している情報は、YouTubeで先んじて配信しています。週に2回くらいの更新(月曜と木曜の夜)ですが、ぜひそちらもチャンネル登録いただけると嬉しいです。

▼今回のnoteの内容について話した動画

それでは、お疲れ様でした!


サポート金を元手にその方とランチに行きたいです(都内のみ)つまり、500円が1,000円のランチに化けます。