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月刊 コーンポタージュKIDS(2)

※ こちらは音楽雑誌の設定で話を進めております

―さて、前回はアルバム『チョコレートムンク』について語っていただきましたが、今回は前編・後編に分けてそれぞれ曲についてお話頂こうと思います。

かねこ(以下・木)じゃあ、順番ずつに曲のエピソードを話していきます。

まずは「sweet weep」                                          https://open.spotify.com/track/3I0hXdT1H2bxU0MzvCZbFw?si=rXKMnulVQiKClyfSy6lXbw                               この曲は夢を題材としたこのアルバムの導入として、なくてはならない作品ですね。 と言いつつ、この曲を作り始めたの実はレコーディングの3、4日前で(笑) 今笑い事にしてるけど、死に物狂いで完成させた1曲です。結構前からタイトルだけは決まっていたんですけど、一番最初が肝心だから掴みをとれる曲にしないといけない けど私がイメージしてる雰囲気に作れる気がしない……ってぐるぐるずっと悩んでました。                                 
このsweet weepは眠りにつく瞬間の、夢をみる直前の時間を表現したくて。夢のようなぼやけた感じもだしたいけど、ちょっとだけさっぱりしてる空気もいれたくて。自分では、"サイズの合わないジーンズ感"がでるアレンジにしたくてちょっと道にそれちゃった。けどそれがいい感じにチョコレートムンクに合ってて結果オーライでした!                  

―タイトルはどういう意味なの?

木)ポケモン(ポケットモンスターの略)の技に、スイートウィープってあった気がしてそれがとても素敵だと感じてて。なんかウソ泣きみたいなやつあったよな、と思って決めたんですけど 調べたらありませんでした。完全に私が勝手に想像で作ってた(笑)曲のタイトルの並びもしっかり考えて、sweet weepがピッタリだな、と思ったのでアルバムのために書き下ろしたんですけど、周りにはもう完成してますよっていう雰囲気を出してて、その実 歌詞もメロディーも全く考えてなかったっていう。もうこんな危険なことはあまりしたくないですね。(多分もうさせてもらえないな)

―「sweet weep」からの「ねむるプリン」の流れがいい感じですよね。アウトロにねむるプリンのメロディーを突っ込んでるの「おおお!」となりました。

木)ここでまどろみから一気に夢の世界に導く感じをイメージしました。「ねむるプリン」はまさに夢の曲なんですけど、よく小さい頃に見てた自転車こいで森のトンネルを通る夢をふとした時に思い出して。 その夢が懐かしくて気になって仕方がなくなったんですよね。で、私が生きてる意味って大それた事なんかじゃなくてこの夢の続きを観るためなんじゃないかって思えてきて。難しいこと考えてしんどくなるより、夢の続きを観るために今日も生きてるんだと思った方が楽しい。でも人によって自由に捉えてもらえるように、小さい頃に夢見てたなりたいものになるために今日があるみたいなニュアンスを込めた歌詞にしました。ちょうど私がずっと願ってたことが叶いそうだった時期に作ったので、すごく私には珍しいハッピーな曲に仕上がりました!結局まだ叶ってないのでこれからも頑張るぞ!!                この曲についてはまだまだ語りきれないけど、いつかzineとか出したいな。                          https://open.spotify.com/track/64IAiLSFvxO7N9FaqvSJhu?si=333jaLmEQJO2mU-sWS-HyQ

―ぜひzineでは歌詞についてもっと詳しく語っていただきたいですね。

木)次は「椿」。設定が、花の椿と猫がおじいさんをめぐって恋のライバルになるっていう夢に見そうなお話の曲なんですけど。椿と猫になりきって歌い方を自分では変えてるつもりなんですけど、気づいてもらえたかな?あと、おじいさんの声も編集でそれっぽくして頂いて 内容は楽しく聴いてもらえる感じに仕上がったと思います。ただ、このギターを弾くのにどうしても上手い感じにならなくて、約60回以上テイクを録りました。。

―60回以上!!よくそんなに弾けたね

木)もう感覚もわからなくなって、とりあえず納得のいく演奏をしなくちゃ、と必死でした。未だに聴くとちょっと永遠に終わらない感じを思い出してゾッとします(笑)

https://open.spotify.com/track/0uLSKDqUX6yTdnHob76cYv?si=G0Q5knzgSiW4vQy-lSleZw

次は「ヘーゼルナッツ」ですね。 この曲はチョコレートムンクを制作する話がでたときに、タイトルが思い浮かんでアルバムに絶対にいれたいってなって作り始めたこれまた書き下ろしの新曲ですね。メロディーはスルッと作れたんですけど、歌詞をどうするか悩んで。話は変わるんですけど、ちょっと前に私は虫歯を患っていたんですよね。

―これまた唐突ですね

木)で、怯えながらも歯医者さんに行ったら、もう神経を抜かないとダメっぽいねって言われて。神経を抜くなんて、自分の一部を取り除くことと同じみたいじゃん!って思って躊躇ってたんですけど、その次の日からもう眠れないくらい虫歯が疼きだして。こんな痛い思いするならはやく神経を抜いてくれ!!!自分の一部なんて知ったこっちゃねぇ!!!ってなって。はやく痛いのをなくしたいけどやっぱりちょっと寂しい。痛い気持ちも私の大事な感覚なんだって思って、虫歯を失恋に置き換えて歌詞を考えました。

―すーっごく遠回りな説明ですね!!

木)虫歯も失恋も何を対象として苦しむかの違いだけなんだと思います。

―とんでもない発言のように思われますが、思想は人それぞれですからね。

木)すべての感情は自分のものなので。        

―でもそのエピソードを踏まえて歌詞を読むと確かに虫歯のことを歌ってるように聴こえますね。

https://open.spotify.com/track/2UfHeixR4AWTjTp8wWEhLq?si=ExWh3h7uS7u4602QklbQMA

木)虫歯で苦しむ前は推してたアイドルグループのメンバーが結婚したり熱愛発覚したりして、喪失感はフレッシュだったので、すごく心を込めて書けた作品だと思います。

―喪失感に鮮度があるんだ。

木)気持ちも思い出も時間がたつと褪せていっちゃうから。イメージは昭和のチョコレートのCMソングで、軽く可愛い感じにしようと思ってたんですけど、アレンジをし始めると気づけばこんなにゴッツイ曲になっちゃいました(笑)

で、5曲目は「HAUTE COUTURE」。エレクトロスウィング系を目指してエレクトロ感全くない作品が出来ました。これは有名な文学作家さんが見た夢を小説にしたような空気感をだしたくて、ミステリアスで不気味でちょっと可愛い犯罪者の女の子になりきって歌ってみました。一人だけ自分は周りと噛み合ってないような、どこか疎外感を感じてる子の歌です。

―最後にふふって笑うところが一番おいしいですよね。

木)このアルバムには去年作ったばかりの新曲たちがほとんどなんですけど、どの曲も少しリアレンジしたり歌や楽器の録り直しをしているんですけど、最後の笑うところだけ上手く出来なくて、爆笑してしまったり固くなってしまったりして一番デモのものが雰囲気がよかったのでそのまま使いました。

https://open.spotify.com/track/2W2u4tSzaa0Db9J20KMdrC?si=Z0MRhi50RpyMY4nQ0Mm_qg

―さて。では前編バージョンはこれでおしまいですね。後編もぶっちゃけエピソードを期待してます!

木)乞うご期待!!!!

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