94年エレカシ野音、乱入の話

つい先日、今更なのですが94年9月15日(26年前の今日9月15日)エレカシの野音にて僕がステージ乱入したライブ映像が2011年にDVDで発売されていた事を知りました。「エレファントカシマシ/EPIC映像作品集 1988-1994」

エレファントカシマシ様、関係者様、その節は大変失礼致しました

ご本人達に読んで頂けるかは分かりませんがお詫びと共に、脚色なしに乱入経緯や心情、サイドストーリーも混じえ、少しでもこのDVDに興味を持って頂けるよう文章を綴らせて頂ければと思います。誤解の無いよう最後まで読んで頂けたら幸いです。

陽当モナカ

DVDを今更知った経緯は、テレビ番組の関ジャムにて先日、宮本さん特集出演の際、懐かしくなりネット検索をしたところ、ファンの方々のブログや掲示板の書き込みに「乱入男」と言う文字を幾つか発見し2011年に映像が発売されている事を知りました。ユーチューブにはありませんでしたのでビックリしました。複雑な心境でしたが早々にDVDを購入して、2時間半ノンストップで拝見致しました。(最後に収録されているファイティングマンにそのシーンが映っています。)

「若さ故の青い正義感が、、」

あの当時のファンならご存知かとは思いますが、1988-1994年までのエレカシは今では考えられないくらい尖っていまして、ライブで踊ったり立ったりするとボーカル宮本さんから「何、おねえちゃん立ってんだよ!」とか「踊ってんじゃねえぞ!」とか怒られる為、みんな静かにじっと座って観るのが暗黙のルールで、ファンは皆、キチンとそれを守っていました。

そう言う媚を売らない姿勢も凄く魅力的でしたし僕も15歳位から(デビュー当時から)ライブに観に行っていて緊張感のあるライブが好きで当時、かなり影響も受けていました。(あのライブはアルバム「東京の空」発売後のライブでエピック契約満了の時期だったらしいです)

あの日のステージにはそれまでとは全く違う、宮本さんが居ました。

今まで「ばかやろう」「やりづれえな」「しかばねが!」「何立ってんだよ」等、散々毒を吐かれてきた僕たちファンを横目に、、

突然、「サンキュー」「エビバディお客さん」を連発する宮本さん。

勿論、会場は今まで通り宮本さんの教え、暗黙のルールをキチンと守り、立つ人も踊る人も誰一人いません。

正直、突然、変容した宮本さんに唖然とし会場全体が戸惑っているのを感じていました。

戸惑う僕らを振り払うかのように「エビバディー」「サンキュー」を繰り返す宮本さん、戸惑う僕たち。繰り返す宮本さん⇄戸惑う僕たち。その攻防がライブの終盤まで続きました。

最初は唖然とし戸惑っていた僕も途中から、その必死で痛々しい姿に、、もし宮本さんが僕たち観客に盛り上がって欲しいと本当に望んでいるとしたら、この戸惑う会場の空気を何とか変えなくてはと言う若さ故の青い正義感が沸々と湧き上がり、直感的に僕はステージに駆け出していました。

<この日、実は当時僕が組んでいたバンドメンバー2人で、もしチャンスがあったら、デモテープを渡せたらいいねと話していました。勿論ステージに上がろうなんて思ってません。正直、そんな事どうでもよくなってました。。>

横にいた友達は僕が急に駆け出したからビックリしたと思います。遅れて追いかけたら警備員に捕まったと、のちに言ってました。

僕は野音のステージに飛び乗り、宮本さんの後ろに回り、観客を盛り上げようと両手を挙げオー!と叫びました。多分同じように沸沸としていたであろう方々も、オーっと声を上げてくれ、バタバタと次々立ちあがりだしました。歓声を上げたり、踊ってる人もいました。その直後、ギターの石森さんから思いっきりド突かれ、痛さのあまりステージから降りました。会場はその後も今までの漂っていた戸惑いが吹っ切れたように皆さん自由に立ったり踊ったり、今までの見えない壁のようなものが壊れたような光景が終演まで続きました。

宮本さんの諦めない姿勢に心が動き、僕なりのアシストをしたかった。と言うのが気持ち的には一番近いかも知れません。
今まで自ら立つなと言ってきたので今更、自分から立っていいよ。とは言えないだろうし、今思うと闘ってたのではないかと。
闘った結果、エレカシは勝ったのだと思います。
いまだに勝ち続け君臨しているのですから凄い事です。

関ジャムで観る宮本さんは変わらず変人で
才能を今も更新する厄介な天才ロックおじさんでした。

僕がした行動は決して良い事ではないので、絶対にしてはいけません。いま客観的に映像で観ると完全にヤバイやつだなと恥ずかしくなります。
エレカシさんには本当申し訳なかったと思っております。
ただ、、そんな天才達と共に記録映像に残れた事を光栄に思う自分もいます。
僕もハタチそこそこの若僧から年を重ね色々な事があり、今は作曲家等、音楽道を歩んでおります。いつか何かでお会い出来た時、このお話を出来る事を音楽道の一つのモチベーションにもなっています。

ちなみに、実はこのライブの少し前まで僕がバイトしていた池袋のビデオ屋の上司Sさんがエレカシのメンバーと中学の同級生で時々、お店にエレカシの皆さんが遊びに来ていらっしゃいました。上司の方に今、1階に来てるから紹介してやろうかと何回か言って頂きましたが、当時ガチで好きだったので、緊張し丁重にお断りしお会い出来ませんでした。

そして、このライブの数年後、某レコード会社の人に、この事を話したら、偶然にも某レコード会社在籍時のエレカシ担当の方で、そのライブ、確か撮影してて映像残ってるよ、そのシーンも知ってると言ってたのですが、数年後に発売されるとは、、。もし発売されても絶対カットだと思ってましたから。

ネットにこのライブの事を書くのは26年間で初めてです。
ご本人達の中で嫌な記憶になっていたり、伏せたい出来事だったらご迷惑になると思ってました。
今回、ちゃんと書こうと思ったのは、DVD(5曲)に選曲としてあのシーンを残してくれた事が大きいです。
沢山やった曲の中から選曲し、エレカシの承諾が無ければ商品化なりませんし、許して貰えたような気がし嬉しかったからです。
見間違えで無ければ、観客が立ち上がった時、映像に映るギター石森さんの表情が薄っすらニヤりとしたような、。違ったらスミマセン。

このDVDはそんな当時の尖りまくったエレカシの貴重映像が満載です。ユーチューブにはアップされてない映像が満載です。
これは買いです!

是非、この機会にチェックしてみてください!

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