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アラノンに来る理由

私が以前参加していた英語のアラノンミーティングでは、新しい仲間が来ると、先行く仲間がそれぞれ「自分はなぜアラノンに来たのか、なぜ来続けるのか」という理由を簡潔に話す時間を設けていました。来続ける理由は似たようなものが多い中、来た理由は千差万別でした。

私たちはさまざまな問題を抱え、何かしらの答えを求めてアラノンにやって来ます。それでも初めてのミーティングでは「こんなところに希望があるのだろうか」という疑いや、「私はここにいる人たちと違う」などと反感を抱くことがほとんどではないでしょうか。アラノンの仲間の分かち合いからは「最初はみんなが何を言っているのかまったくわからなかった」という声が一番多いように感じます。しかし、アラノンの第一印象や自分の反応がどうであれ、ほかの仲間の境遇や自分自身の状況がどうであれ、私たちには必ず一つの共通点があります。それは、私たちは誰かの飲酒の影響を受けているということです。

『はじめに』で書いたように、私は15年前に一度アラノンにつながり、すぐにあきらめ、約11年の時を経て再びアラノンにつながりました。一度目のとき、夫は飲んでいました。その時の理由は「自分がどれだけ苦しいか夫に見せつけたい」でした。かなり不純な動機です。二度目のときには夫はソーバーで、私は母との確執に苦しんでいて、その時の理由は「何者かになりたい」でした。これは不純というより見当違いですね。そうやって明後日の方を向きながら、もう一度この部屋の中に入って来たのでした。


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