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自転公転

山本文緒さんの『自転しながら公転する』を読んで。

地球はただ太陽のまわりを円を描いて回っているのではなくて、スパイラル状に宇宙を駆け抜けていて、一瞬たりとも同じ軌道には戻れない。

というように、

アウトレットで契約社員として働く30代女性の主人公が

仕事や恋愛、親の介護とか、
周りに流されて
ぐるぐる回りながら踠いている様子がリアルだった

特に、彼氏の経済力に合わせて安いプレゼントをするのとか、そんな経験ないけど、ゾクっとした

経済力とか、相手に対して抱く不安って、結局は自分が不安に思ってることで、 

それに拘れば拘るほど、心が狭くなって、すべてに余裕がなくなっていくのは分かるけど、

でも、やっぱり自分が中心で、大切だから、いつでも周りを見て、寛容でいれる訳もないし

「不安や悩みを失くしたいんじゃなくて、種類を変えたい」っていう言葉も自分勝手だけど、それが本音で

回り続ける世界のなかで、自分を持って生きるのって難しくない?って思うけど、

「別にそんなに幸せになろうとしなくていいのよ。幸せにならなきゃって思い詰めると、ちょっとの不幸が許せなくなる。少しくらい不幸でいい。思い通りにはならないものよ」

と作中でも言っているように、
幸せとか、漠然とした何か拘らずに、
好き!とか、楽しい!とか自分の直感を信じていきたいな〜と思った。

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