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【博物館】造幣博物館

2024年3月3日

アイドルマスターシャイニーカラーズの6thライブに合わせて大阪京橋で宿泊をしていたのでライブまでの余暇を潰すために徒歩圏内で回れる博物館を探していたところ造幣局を見つけたので行くことにした。

造幣局の敷地内にあるこの造幣博物館、造幣なので現代硬貨だけかと思っていたが人類史上の貨幣の歴史をなぞる展示だったので、入場無料ながらかなりの時間楽しめた。

実は造幣局だけど、桜の時期だけは造幣局敷地内の桜をみるためのルートが開通するので、その時期だけは造幣博物館が閉まるということなので、その前に入れて居るということは良かったのかもしれない。ライブ日程に感謝。

その桜の通り道と名付けられたルートを辿って博物館に入るのだが、途中途中も展示がバッチリあるね。

旧正門、明治期の建築


造幣局の最初期に導入された圧印機

特にこの圧印機に関しては現状この原型をとどめている機械は世界的に見て珍しいらしく、すげぇ~って思ったのだがあの、動態展示してくれません?(贅沢)っていう感想を持ってしまった。

館内に入るとすぐに大きな時計がお出迎え、造幣局創立期の技術者の手によって作られた大時計なのだが、こいつ動くぞ!?っていう。動態展示だ~~~!!!

コンパクトな館内で2階、3階と展示がわかれている。
まずは2階から。

2階は造幣局の創設から変遷、そして現代の造幣と造幣局の関わる業務であるところの五輪のメダルや、勲章の制作、そして記念硬貨などそれらに関わる技術の展示だった。

何故大政奉還から首都東京とするところに現代造幣という経済文明の証左が東京中心が置かれなかったのかを初手からぶちかましていて最高。

維新の会の政治主張か?w

大阪に置かれた造幣局であったが、その土地を利用した施設であり、当然商人の街だったこともあり、皆さんのよく知る人物の展示もバッチリあった。

大塩平八郎邸宅!?

とまぁ確かに当時の江戸末期からの経済人の協力を得てできた施設であることをきちんと示す資料があるのはすごい。

造幣のため開局した造幣局だが、大規模に金属の精錬、加工、貨幣の制作をするということは当時の日本においてかなりの技術革新を要することであったようで金属精錬に必要な化学原料を作成、また同様に精錬に必要な電気炉を利用するための電気を得るための発電所を併設し、また金属加工のための大機械の導入など、現代では考えられないほどの多種多様なプラント、ラインが併設された工場というのがびっくりであった。
やはり江戸期の家庭内手工業が続いた弊害は近代化に大きく影を落としているな。そしてそれを克服することを目指した明治期の技術者の底力はすげぇと感じた。

造幣局の芯であるところの、寸分互いのない同じものであることを高精度で求められる硬貨への技術を磨き続けた造局の現代の硬貨製造を見せてくれるゾーンもあり、見応えバッチリだった。

また、東京五輪で提供されるメダルについても造幣局謹製でありそのものを展示していた。
よくよく考えれば当然ですよね。硬貨=メダルだし。

2020東京五輪メダル
1964東京五輪メダル

また五輪メダルとは別に造幣局が制作しているものとして、国家勲章がある。これについては写真撮影が出来なかったので写真がないのが悔やまれるが七宝の技術で現在においても造幣局の職人の手作りのものというのがびっくりした。
確かに菊花大綬章プレス機で出すわけにはいかんわな。
勲章の名に恥じぬ意匠の入りようですげぇ圧巻された。

そして2階の最後は硬貨を持てるゾーンがあった。
いっつも持っているんだけど、この硬貨は初めてだったわ。。。

100万円分

ちなみに包まれている袋も、造幣局で運用されている袋らしく通常であれば打ち出された後、金庫に入る(当然)らしい。

続いて3階の展示は世界の硬貨の歴史を少々と日本の硬貨の歴史を紹介という様相で、和同開珎から寛永通宝までの“文”の歴史と、そして高額貨幣として流通した小判大判の紹介であった。

所狭しと小判大判の数々

金はやっぱ不変の価値を持つな~と感心しきり。
ただ文に関しては歴史上何度も改鋳されたり偽造が流通したりでかなり硬貨というよりは当時の日本社会の歴史と、諸外国との圧力の変化を読み取る物となっていたのは面白い。
特に中国から輸入している銭についてもパワーバランスが見て取れるのは面白い。

江戸末期に鎖国の終わりから日本から大量の金が流出したところから金本位制度の移り変わりや、それを食い止めるための改鋳政策など、金のためにみんな頑張るな~~~。ま、当然か。

日本の硬貨の変遷の後には、造幣局の製作した記念硬貨の数々を展示していて世界各国の造幣局にあたる組織の硬貨も展示してありこれは誰かの趣味だな?って思ってしまった。

使えんわこんな硬貨

しかし記念硬貨ってこんなにあるもんだなぁと。
五輪を皮切りに製作された記念硬貨が一挙に見れるというのは人によっては垂涎の場所かもしれないが流石に硬貨コレクターの気はなかったので事なきを得た。

小さめの博物館ながら現代経済を支える硬貨にフォーカスしたこの博物館、歴史から紐解いた貨幣の歴史と、経済を支える実体としての硬貨を程よく取りまとめて、そして金色でペカペカだったので終始興味を持てる面白い展示だった。

以上。

金銀のインゴットにも触れるぞ!