見出し画像

【特別展】CLAMP展@国立新美術館

2024年7月11日

今年の新美術館の夏の目玉の展示としてのCLAMP展。
CCサクラでCLAMPは骨身に染みているので当然行こうかと考えていた。
が、実はCLAMP作品については、物心つくかつかないかの頃のレイアース、そしてCCさくらのみ既知という状態であったが、非常に見応えがあるのは当然のこと、他の作品についてあらましを展示しながらCLAMPの全時代を丁寧に紹介されていたので、見易い展示の上に、原画も豊富でその筆致の変遷を確固に感じ取ることが出来た。

でっかいさくらちゃん、このように作品ごとに大きく紹介されていた

CLAMPの頭文字を取りながら【C】CLOLR、【L】LOVE、【A】ADVENTURE、【M】MAGIC【P】PHRASE、そして歴代の作品群や彼女たちを紹介する【I】IMAGINATION、最後に【D】DREAMと順を追いながら画業に触れていくという構成をしていた。

やはり新美術館、天井が高いことも有り、先の画像に紹介したように高さを生かした展示が強烈であった。

『聖伝-RG VEDA-』の原画展示箇所
『魔法騎士レイアース』の原画展示箇所

特に【L】LOVEのゾーンでは、カーテンを使用しながら原画を紹介するレイアウトが、完璧に計算された雰囲気であると同時に、まさに登場人物の愛が強烈に意識される原画を集中して展示しており、全く知らない作品の原画でもとても興味深く見ることが出来た。

とはいえやっぱ、さくらちゃんと知世ちゃんのLOVEなんだよな

【C】COLORではカラー原画を時代と共に流すように展示し、CLAMPの作品の変遷と作品の強さをまず印象付ける構成。
続いて【L】LOVEで、各々の作品で登場人物の強烈な感情で作品に対しての向き合い方とを示していき、そしてメインコンテンツの原画展示である【A】ADVENTUREにつなげていくというガッチリした流れで一部作品しか触れてない人でも楽しめる構成がしっかりと練られていた。
おそらく最初からCLAMPが好きな人にとっても、この構成は過去を思い起こさせるように展示しているのもあって非常に嬉しいものだと思える。

今回音声ガイドを借りたのだが、ナレーションを務めるのは福山潤ということもあって、非常に安心して聞くことが出来た。
音声プログラムについてもやはり博物館系のものとは違い、終始作品が主軸であることがブレずにいたので一貫して聞きやすかった。

【A】ADVENTUREの原画については時代とともに変わる筆致、変わらない作品の芯といったところを感じ取れるように展示されていた。
また、各々の時代背景、社会情勢なども反映されながらどう作品に対して落とし込んでいったのかを紹介されていたのでこれもまた見ていない作品群でも楽しく見ることが出来た。

そして自分には一番刺さるコンテンツである、CCさくらの原画の前で泣いている男性が居た。俺だった。

泣かないのは無理です。泣いてしまいます。

【M】MAGICのゾーンは館内シアターに歴代の作品が動画形式で紹介されてる箇所であり、原画よりも見入る人が多いゾーンでもあった。
というかこのシアター形式はもうちょい空間設計を頑張ろうな。
流れてる作品自体はめちゃいいんだけど、人の流れがとてつもなく管理されてなくて工夫はいくらでもできるだろうといった様相。
これについては後期展示も見たいと考えているので、それまでに修正かかったら嬉しいな~。

【P】PHRASEではCLAMP作品の登場人物の一切ブレない言葉についての展示であった。来館者一人ひとりが登場人物の言葉に触れることのできる展示で、かなり参加型の展示だったけど、これはちょっと見難い……。
作品群にすべて触れている人向けであろうかと思った。

フレーズに触れる展示

【I】IMAGINATIONではCLAMPの年表と、作品群の年表と共に作品そのものが展示。こういった原画展ではよくあるパターンのものだけど、なにぶん活動期間が長いのでその年表も広大。

1989年スタートで、2024年まで。とにかく長い。

反対にはコラボ作品群なども置いてありまさに画業の振り返り。
ここからきちんと調べて作品見ていきたいな~と思ったりもした。

マジの名言であると同時にうわ、典型的な同人作家!?って思ってしまった。
未だにこの熱意で、そして変わらない4人で制作しているということが凄い

そして最後は【D】DREAMであるが、一つ描き下ろしの作品が展示されているのみである。
贅沢な空間とはまさにこのこと。
ただでさえ原画の物量の満足感を与えられたところでダメ押しでこれ見させられちゃたまんねぇな。最高でした。

以上。