アルコール依存症の女 あんた誰?

ドーム内でお酒を売り歩いているお姉さんを呼び止め、チューハイを買った。
9ヶ月ぶりの酒だった。
やはり球場で飲む酒は格別だった。グラウンドの土の茶色や芝生の緑もいつもよりくっきり映った気がした。

一杯を飲み干した。まだ酔っていない。
2杯目で最後にしよう。

明日は午前9時半から仕事だった。
しかし、試合終了時点で完全に脳がアルコールに支配されている私は従姉妹に「軽く飲みに行こう!」と誘っていた。

この球場の近辺は沖縄料理屋が多く、巨人の大城捕手の大ファンの従姉妹と活気のあるお店へ入店した。
まずはオリオンビールで乾杯し、その後は泡盛をロックで3杯ほど飲んだ。
そして記憶が飛ぶ。

従姉妹と駅で別れたのはうろ覚え。
その後、一人で電車に乗り自宅の最寄駅の一つ手前で降車していた(はず)。
次に思い出せるのは、見知らぬ男とラブホテル
でセックスしていたこと。

酔いが覚めた。
「あんた誰?」「そっちが声かけてきたんやろ!」
時刻は朝6時で酷い二日酔い。でも会社に行かなければ。

なんとかラブホテルを脱出し帰宅。
酔いを覚ますためにシャワーを浴びるが、酒は抜けそうにもない。
最低限の準備をし仕事へ向かった。

大丈夫、遅刻もしていないしやましいことは何もしていない。ただ酒を飲みすぎただけ。
しかし、会社の上司や先輩は私を不思議そうな顔で見る。何も言わないが。

家に帰り、昨日の男からLINEがきた。LINEを交換していたらしい。
「キスマーク大丈夫だった?」
「え、何のこと?」
「オレおもいっきり首にキスマークつけたやん」
その瞬間ぞっとして、鏡で首元を見るとアザのようなキスマークがついていた。

会社でジロジロ見られていたのはこれだったのか…。


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