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ハンドシェイプ”アウトラインカットアウト編”

先日、製作したブランクスをサーフボードの形に切り出していく、アウトラインカットアウトの工程をレビューします。

アウトラインの設計


まず、アウトラインの設計をします。
何でもそうなんでしょうけど、設計をそれなりにやっておかないと完成してから「思っていたのちがう。」なんてことになってしまいますよね。
下の写真は設計メモの一例です。

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お客様のスケッチをベースとして、フリーハンドでアウトラインのイメージをつくっていきます。
浮力のレベルとか、レールやテールのデザインとか、サーフボードの機能を意識しながら具体的なサイズを決めていくのですが、一発で決まることはほとんどなく、いくつか検討しながら絞り込んでいく感じでやっています。
作成したデーターをテンプレートにしてストックしておくと、次回の製作が効率的になります。
テンプレートは気が向いたときに余ったベニヤ板で作ります。

アウトラインの筆入れ

設計が決まると実際のサイズに拡大して、ブランクスにアウトラインの筆入れをしていきます。
算数が必要です。
小学校でしっかり学んでおくとよいです。
筆入れと言ってもそのまま書き込むのではなくて、ベニヤ板や厚紙に拡大したアウトラインを書き込みそれを型紙としてブランクスに落とし込むように転記していきます。
下の写真はアウトラインをブランクスに筆入れした状態です。
これはシモンズを製作したときのものです。

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カットアウト

ブランクスに筆入れしたアウトラインに沿って、電動ノコギリでカットアウトしていきます。
この際に外寸で余白(マージン)を1cmはとるようにしています。
カットアウト後にラインと面をサンドペーパーで整えるためです。
これをやらないと、結果、削りすぎてしまったなんてことにもなりかねません。
カットアウトで一番気をつけなくてはならないのはカット面を垂直に保つことです。
電動ノコギリを斜めにした状態で切り込んでしまうと、設計と違ったサイズになってしまします。
垂直に切り出す方法として、直角を測定するゲージを作成し、切り込み面をゲージで確認しながら、少しずつ切り出していきます。
ゲージは10cm四方の木片を90°角ができるように組み合わせて結合したものでハンドメイドです。
カットアウトが完了した状態が下の写真です。

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機材も紹介します。
電動のこぎりはこちらです。
曲線をカットするので小型タイプが使いやすいです。

この後、デッキ面とボトム面のカットアウトに進んでいきますが、ねじれが起きないように幅の中心値がわかるように10cm感覚でマーキングしておきます。
ボトム面とデッキ面のそれぞれからのマーキングまでのサイズを計算しておいて、その値に忠実にシェイプしていきます。
ボトム面とデッキ面のシェイプはプレナーと呼ばれる電動カンナを使用しますが、これまた削りすぎないように最新の注意をはらってシェイプします。デッキ面とボトム面それぞれのシェイプにおいて一番注意しているのはそれぞれの面が水平になることです。
面の水平を保つために使用するのが下の写真の水平ゲージです。(オレンジ色で中央の水泡の位置で水平を確認するもの)

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プレナーはこちらです。

水平ゲージもデジタル化されています。
これは優れものです。

必需品 防塵防毒マスク

シェイプをすると当然ながらフォームの細かい粉が飛び散ります。
これが目や口に入るととても有害です。
わたしは防塵防毒マスクを着用して作業しています。

また、身体中にフォームの粉が付着するので、シェイプ専用の作業着も使用しています。

アウトラインの完成形

そうこうしてアウトラインのカットアウトが完了した状態が下の写真です。

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なんとなくサーフボードらしくなってきましたよね。
この工程が一番ゴミが出ます。
フォームの細かい粉が20リットルの肥料袋で5つほど出ます。
フォームのゴミ出しは、地域のゴミ収集のルールに従ってやらないと苦情が来ますので注意が必要です。
この工程は半日ぐらいを要するのですが、削りすぎると後戻りできないので、じっくり確認しながら作業することがポイントだと思います。
「ここは一気に・・・」なんて思ってやるときに限って失敗したりします。
次回はいよいよシェイプです。

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