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天文宇宙検定にチャレンジした話③

2021年7月3日(土)、長男が生まれて初めて受ける検定試験の前日、私たちは筑波にいた。私たちが住んでいるのは千葉県だが、住んでいるところからほど近い、利根川を挟んだ向こう側は茨城県である。都内に出るより、気軽に行ける茨城県。そして、長男が目指す宇宙に関する施設、JAXAの筑波宇宙センターも茨城県にある。家からは車で約1時間の距離である。

主人が生きていたころに、筑波山に行った帰りに初めてJAXAに立ち寄った時から、私たちはJAXAの虜となった。私も主人も、漫画”宇宙兄弟”を愛読していたこともあり、筑波宇宙センターにあるH2ロケットの模型と、その奥にそびえるJAXAの研究ビルの構図を見ただけで、心が躍った。筑波宇宙センター、そこは、日本から宇宙へ飛び立ったほぼ全ての宇宙飛行士が、宇宙飛行士としての選抜試験を受けた場所であり、宇宙を目指すものにとっては聖地である。

長男が宇宙に行きたい、って言い出す前から、暇さえあればJAXAへ行っていた私たち。宇宙に行きたいって言われてからは、JAXAへ行く頻度がさらに増えた。コロナ禍で、見学できる施設や時間帯に制限はあれど、行くたびに新たな発見に出会える。だから何度でも行く。月に1度は必ず行く。とはいえ、現在JAXAの見学時間は30分に限られており、その30分のためだけに片道1時間かけて筑波に行くのはもったいない。

でも筑波には、JAXAの他にも宇宙を学べる施設がある。つくばエキスポセンターである。ここは、プラネタリウムもある。そして我が家は、ここの年パスを持っている。なので、毎月1回はつくばを訪れて、エキスポセンターとJAXAで宇宙に触れるという生活を送っていた。

天文宇宙検定を明日に控えたこの日、つくばエキスポセンターのプラネタリウムのプログラムは、朝10:10から”The Moon 月の不思議"が上映されるとのことだった。このプログラムは今まで見たことなかったが、なんとなくこれは見ておいた方がいいという私の直感が働いたので、土曜日は朝から筑波に向かい、エキスポセンターでプラネタリウムをみた。

その後、お昼を食べてからJAXAへ向かった。今日は何を見るの?って長男に聞くと、

”俺は人工衛星のことがよくわかってないから、
今日はその辺をちゃんと見るよ”

人工衛星といえば、ひまわりくらいしか思いつかなかった私だが、JAXAへ通ううちに、日本が打ち上げている人工衛星がとてつもなく多く、また科学的にとてつもない役割を担っていることを知った。今までは、自分の好きな展示だけをみて終わっていた長男だったが、今回は試験勉強の結果、自分が苦手とする人工衛星に関する知識を得た方がいいと判断し、積極的に人工衛星の展示を見ていた。

JAXAの展示は、初めて行った時からほぼ変わらない。そして、初めて訪れてから、もう20回を超えるほど訪れているが、いまだに、行くたびに新しい発見がある。大人の私でもそうなのだから、まだ小学校4年生の長男にしてみれば尚更であろう。今回初めて、人工衛星について知りたい、という目的を持って見学した長男。見学時間が終わった後、どうだったか聞いてみると、

今まで何度も来てみてるのに、
意外と知らないことがあって、
今日はそれが知れてよかった。

と、笑顔で話してくれた。

いつもより早めにつくばをでて帰宅し、翌日の試験に備えた。

続く。

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