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新卒2年目の私が適応障害になった話

 1月末日、つまるところこの記事を執筆している2019年2月7日時点で先月末日の事、通勤中の車の中で呼吸もままならない程の激しい動悸と手の震えに襲われました。このままでは危険だと、路肩に車を寄せ、震える手で会社に「すみません、休みます」と電話をしたのを覚えています。電話を切った直後は、ただただ涙が止まりませんでした。

 涙と動悸が落ち着いた私はいったん自宅へ戻り、インターネットの検索で出てきた近隣の心療内科へ片っ端から電話をかけまくりました。「心療内科をやっていらっしゃると伺ったんですが…」「本日、受診したいんですけど大丈夫ですか?初診なんですけど…」…ことごとく「実は今心療内科はやっていなくて…」「初診だと1ヶ月先になってしまうんですけど…」と断られる中、「本日ですか?初診でも大丈夫ですよ。○○時までに受付をお済ませください」と快く言ってくださった病院が一件だけありました。

 すぐに当該の病院へ行き、受付の方へ初診である旨、心療内科希望である旨を伝え、診察券を作成するために一先ず簡単な問診票へ記入を行いました。具体的な状態という欄があったのですが、迷った末になんと記入したら良いのか分からず、空欄のままその他の項目を埋めました。自分でも自分の事がよく分からなかったんです。記入済の問診票を受付の方へ手渡し、後はお年寄りの軽妙な会話であふれている待合室の椅子に、上着を脱ぐ事もせず、ただじっと、ぼーっと座っていました。「とうとうここまできてしまった」「自分より辛い状況の人はいっぱい居るはずなのにどうして我慢ができなかったんだろう」「これからどうしよう」という、情けなさや悔しさや後悔や、それでも今日は職場へ行かなくてもいい、という安堵感が頭の中でぐるぐるぐるぐる回っていました。

簡単なあらましと出ていた症状について

 ここで、段階を踏んで結果として発症した症状についてお話しします。「なぜ適応障害になったのか」という原因と課程について事細かに記載すると長い上にぐだぐだになってしまうと思うので、今回は簡単に済ませ、そちらはそのうちもう少し状態が落ち着いたら詳しく書きます…(今書いたら確実に悪化するので…)

 先に申し上げておくと、私の職場は別段悪質なサービス残業体勢だった訳でもなく、残業は多い月で30時間以内に抑える事ができていましたし、理不尽に怒鳴り散らす上司がいた訳でもありませんでした。同じ課に数人モラハラ、セクハラ体質の方もいらっしゃいましたが、同じチームの先輩方は年が近い事もあり仲良くさせて頂いていましたし、後輩もとても気のいい後輩ばかりでした。

 ただ、私の課は少々特殊な体制で、たとえて言うなら一人一人が会社におけるリーダー業務を担わなければならない課、だったんだと思います。メールは一日多い日で500件を超え、そのスケジュールをあらゆる手法を駆使してなんとか把握し、入社1年半足らずの私に開発品や顧客の重要製品案件を数件任せ、一人でその案件に関する会議に参加し意見を言わなければなりませんでした。それにプラスして特殊言語を用いたプログラム設計も開発日程に併せて一人でこなしてね。分かんない事あったら誰も教えてくんないから子会社の人に電話で聞いてね。ちなみに韓国の人だから日本語分かんないかも。みたいな業務もふってきて。もう正直パンク寸前でした。

 上長へ「業務が向いていないので異動したいです」と訴えた事もありました。チームのリーダーへ「正直もうキャパシティオーバーなので業務管理できてないんですけどちょっと見て頂いてもいいですか?」と相談した事もありました。みんな穏やかな空気で話を聞くだけ聞いてはくれました。けれど「人が足りなくて異動はちょっとすぐにはできないかな…それに向いていないっていう風には感じないよ?大丈夫、大丈夫」とその場での励ましは頂けました。「じゃあ、この業務はこっちでもつから、この後4つの業務はそっちでこなせる?できる人桃豆腐さんしかいないからさ…なんとかお願い」と私の胸のつかえになるほどの業務はスケジュールリストに残ったままでした。

 そんな状態で出勤したある日、大量に届くメールを整理している最中、急に動悸と変な汗が止まらなくなり、何をしていても集中できなくなってしまいました。以前は1時間程でできていた業務を半日、下手すると一日かけても終わらせる事が出来ず、やっとの思いで仕上げたものはどこをチェックしてもボロボロミスが出てくる状態。分からない事やミスった事について質問しても、そのときは頭に入っていて、きちんとメモまで取っているのに、次の日になると謎の頭のもやにより何にも手がつかない状態、それが三週間ぐらい続いて、自分の情けなさからふとした瞬間に涙が止まらなくなってしまう事が多々ありました。周りに迷惑をかけている自覚もあったし、何よりも申し訳ない、消えたい、と強く思うようになりました。

 そんな事がしばらく続き、年明けの初出勤時、会社の駐車上に駐めた車の中で衝動的に「会社辞めよう」と思い立ち、その旨をそのまま朝一で上長へ伝えました。伝えた時の心境は正常ではありませんでしたが、不思議と心中は凪いでいました。伝えた時の上長は、まさに頭を抱えるとはこのことのポーズをとりながら、渋い顔をしていらっしゃいました。ありがたい事に引き留めて頂き、「異動って言う手段もあるけど、それでもダメ?」と言われました。私からしてみれば「え?異動できるの?じゃあ半年前のあの面談での私の決死の告白は何だったの?」と首をかしげながら、異動させて頂けるのであれば…という事でまんまと引き留められてしまいました。しかしながらその後不調の体を押して1ヶ月ほど異動の件について調整をしていく中で、「人が足りない事も有って、異動が1年以上先になるかもしれない」と言われた瞬間、私の心はもう、ぽっきりと、耳の奥ではっきりと音を立てて折れてしまいました。そうして件の朝は訪れたのです。

半年程前からすでに、朝ご飯を食べる事が出来なくなっていました。お腹もすかないし、変にのどの奥というか、胸のあたりのつっかえがあって、朝食を食べる、という気にならなくなっていたんです。こういったことは学生時代もよくある事だったので、私自身「平日はしょうがない」と思ってあまり気にもとめていませんでした。

だんだんと、それに付随して胃腸の調子が良くなかったり、偏頭痛が酷かったり、生理が不順だったり、しまいには腰から背中にかけて謎の体の痛みも出てきていました。

それでもまだ、「寝れてるから」「笑えるから」「食べれてるから」「趣味が楽しいから」なんとか心を保つ事が出来ていました。

しかしながら10月を過ぎたあたりから、まず「趣味が楽しめなくなりました」。絵を描きたい欲求も湧いてこないし、あれほどのめり込んでたのしくやっていたソーシャルゲームにも1ミリもときめかない。何をしていても仕事の事や情けない自分がちらついて、こんな事をやっている場合じゃない、と謎の罪悪感によって私は趣味を奪われました。

そして11月を過ぎたあたりから「笑えなくなり」「眠れなくなり」「食べれなくなりました」。休みの日もできれば誰とも会いたくなくて家でじっと何かから隠れる様に過ごしてました。夜には謎の動悸が決まって襲ってきて、私を絶望の思考の渦に突き落とします。不安に駆られてスマートフォンでネガティブワードを検索しているうちに、ますます眠れなくなり、気がついたら夜が明けていて、まるで昨日が終わっていないのに今日が来てしまったようでした。日を追う毎に眠れない、食べれない日は増していき、病院受診を決意する頃には平日は五日で一食食べればいい方、1週間の内4日は不眠状態、というボロボロの状態になってしまっていました。

そうして私は適応障害になった

 「桃豆腐さん、」看護士さんに声をかけられ、他の患者さんとは別の一室へ通されました。いわゆるカウンセリングルームです。そこに現在の私の担当医をしてくださっているおじいちゃん先生はいらっしゃいました。「今日はどうされましたか?」そう聞かれて、とたん何を話したらいいのか、頭が真っ白になりながらも、たどたどしく、斜め下を向きながら、おおむね上記の様な事を先生にお話ししました。そうして私は、思い切って受診した心療内科で適応障害と、一先ず1ヶ月の休職を言い渡されました。

 その後、会社へ来てくださっている病理医の方との面談を経て、今月から休職を頂く流れとなりました。

現在(2019年2月頭時点)

 現在は何も考える事が出来ない状態である、というのが正直な所です。そんな状態なのになんでnoteはじめようと思ったのよ?なんでこんな話記事に使用と思ったのよ?って思いますよね私は思います。まぁ、まず第一に本当に親しい友人に自分の現状を涙を流さず理路整然と説明できる自信がなかったので、説明資料代わりに「長いけどコレ呼んでくれると嬉しいな~」と出せそうだなって思ったからです。そして第二に、今、この苦しんでてこの先どうなるかも分からなくてこの先何がしたいのかも定まっていなくて暗中模索状態の自分にしかかけない何かを吐き出しておきたかったからです。そして第三に、「ここにも一人新卒で適応障害になって休職しちまった野郎がいるぞ!!!ちなみに流れと症状はこんなモンだけどそっちはどうだい!!??」って、同じ境遇だったり状態で悩まれている方に対して声をあげたかったからです。この記事を読んだところで正直どうともならないと思いますだってぶっちゃけ先の事決まってないですもん。でも、一人じゃないって思えるだけで私は大分心が軽くなる夜がたくさんあったから、その中の一記事にでもなれればいいなあという希望を込めて。

 まあとりあえず一日中寝たり起きたり月曜日曜気分の落ち込みが激しくて眠れなかったりですが、充電期間という事で焦らず過ごしてみたいと思います。それではまた。

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