逃げる時間は、もう私には残されていない
いつも、逃げ道を作っていた。
できない理由を並べる。
ダメな理由を自分で並べる。
そうやって、いつも逃げ道を作っていた。
本気で挑戦したことある?
そう言われたとき、悔しくて涙が出た。
夢が叶わなくて、絶望しているときに渡された言葉だった。
いっぱいいっぱい泣いた。
悔しかったのは、図星だったからだ。
私はきっと、いつもどこかで逃げ道を用意していて、それを理由に傷つくことから逃げていた。
本気で立ち向かわない人に、簡単に夢の女神は微笑まない。
突出した才能があるわけじゃない。
努力だけでは、叶わない夢もある。
みんながみんな、夢を叶えることができるほど、簡単じゃないから。
それでもきっと、夢の扉に近い場所にいるから。
様々な言い訳と、様々な慰めの言葉を、いつも自分のために用意していた。
書けないときは、書くことから逃げてた。
コンテストで結果を出せなかったときには、慰めの言葉を求めてた。
書くことは、命を削る。
命というと、とても大袈裟だけれど、時間を削って書いている以上は、命を削っているのと同じような感覚だと思っている。
もちろん、全てに対して命を削るように書いているわけじゃない。
日常を綴ったり、言葉に変えられない感情を綴るときは、命を削るのではなく、命を注いでいる感覚だ。
命を削るように描き、命を注ぐように書く。
いつも、逃げ道を作っていた。
今の私も、きっとどこかで逃げ道を探している。
誰も、自分を傷つけたくはないだろう。
誰も、自分を守りたいだろう。
私だって同じだ。
書くために、自分が百瀬七海であるために、心を守っていきたいと思っている。
でもね、できないを言い訳にはしたくないんだよ。
命を削り続けても、ここには命に注ぐ優しさと強さがあるから。
だから私は、命を削ってこれからも描いていく。
悔しくて流す涙、上等じゃない?
悔しいとすら思えないなら、涙を流す意味なんてない。
悔しいから、朝日が眩しいの。
眩しいから、手を伸ばすの。
届かなくてまた泣いて、また手を伸ばして立ち上がるの。
大丈夫だよ。
そこはもう、2度と逃げ道にはならない。
その道は、ただの遠回り。
与えられた命の長さが決まっているなら、逃げている時間はないから。
私は今日も、命を削り、命を注ぐ。
サトウカエデさんのこちらのnoteを、私なりにリライトしてみました。
参加しています。
#100日間連続投稿マラソン に参加しています。
現在、51/100
2020.8.26
いつか自分の書いたものを、本にするのが夢です。その夢を叶えるために、サポートを循環したり、大切な人に会いに行く交通費にさせていただきます。