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記憶の上書き保存

何故か覚えている記憶って、忘れたくない記憶とは違う。

先日、#表現者たちのエッセイ展覧会 という企画に参加するのにあたり、「何故か覚えている記憶」というテーマで、このnoteを書いた。

比較的、記憶力はいい方だと思う。
何故か覚えている記憶というと、何もなければ忘れるようなことなのに実はなかなか忘れられない記憶なのかな、というような感じがして、たくさんの記憶を呼び起こしてみた。

この企画に参加する意味のないような、誰得にもならないくだらない記憶は、簡単に思い出せ、簡単に消え去る。だけど、そんな記憶は言葉にしても面白くもない。

覚えている記憶が、忘れられない記憶とイコールだったなら、書きたいこと、言葉にして残しておきたいこともたくさんあった。でもそれらには、「何故か」という言葉はつかない。忘れられない大切な記憶だから覚えている。それだけのことだ。

記憶をいくつも呼び起こして、苦しくなり、切なくなる。忘れられない記憶は、笑ってしまえるネタよりも、そんなのばかりだった。

忘れてしまうことができたなら、少しは楽になれたのに。どうして忘れたい記憶ほど、心にとどまるんだろう。幸せの記憶は、少しずつ上書きされていくのに、忘れたい記憶は、名前をつけて保存されている。

2021.2.18

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