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スロースリップ・地殻変動と大地震(1) 東日本大震災の前兆もあった~千葉県東方沖で大地震の可能性は?


■はじめに

2月末から起こり始めた千葉県・房総半島の群発地震では、同時期に「スロースリップ」が発生していたことがわかってきた。

海底深くの岩盤(プレート)同士が固く密着している「アスペリティ」(固着面)という場所があり、そこに歪がたまっている。
それより浅い場所で、繰り返し小さな地震がゆっくりと起きている現象をスロースリップと呼ぶ。

通常の地震の場合、あるプレートの下に別のプレートが潜り込んで、引っ張られた後で一気に戻ることによって発生する。
これに対して、スロースリップの場合は少しずつ時間をかけて元の位置に戻るという違いがある。

スロースリップは、人間が感じることはなく、被害もなく、津波が発生することもない。

「ゆっくりすべり」、「スロー地震」、「サイレント地震」などとも呼ばれ、英語では「でSlow Slip Event(SSE)」、「Silent earthquake」などと様々な呼ばれ方をする。

3月は2回にわたり、房総半島沖のSSEと能登半島地震の際に発生していた事例などを紹介し、今後にスロースリップが大地震に繋がる可能性についても触れる。
また今回の調査でスロースリップに関する新たな発見をしたので、それについても紹介する。

■大地震と誘発・抑制する事例

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