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岡山新報デジタル【神道諸派】

◆吉田神道

吉田神道(よしだしんどう)とは、室町時代京都吉田神社の神職吉田兼倶によって大成された神道の一流派。唯一神道、卜部神道、元本宗源神道、唯一宗源神道とも。

吉田神道は、室町時代、京都の神道家・吉田兼倶に始まる吉田家が唱えた神道の一流派であるが、実際は吉田兼倶がほとんど一人で集成したと見られている。

元本宗源神道、唯一宗源神道などを自称している。
本地垂迹説である両部神道や山王神道に対し、反本地垂迹説(神本仏迹説)を唱え、本地で唯一なるものを神として森羅万象を体系づけ、汎神教的世界観を構築したとされる。

『唯一神道名法要集』によれば、神道は本迹縁起神道、または社例伝記神道、両部習合神道、元本宗源神道の三種に分けられ、このうち第三の元本宗源神道は吉田家の祖先神であるアメノコヤネノミコトによって伝えられた正統的神道であるとする。
同書によれば元本宗源神道とは「元とは陰陽不測の元元を明す。
本とは一念未生の本本を明す。(中略)宗とは一気未分の元神を明す。源とは和光同塵の神化を明す。」ものであり、即ち「吾国開闢以来唯一神道是也」とする。

吉田神道は、中世神道思想を集大成し、様々な宗教の諸言説を越境的に統合しつつ、仏教から独立した独自の教義・経典・祭祀を持つはじめての神道説となり、神道史における大きな画期となった。


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