ツラツラ小説。 ディスイズメリークリスマス。


いつも慌てている。ドタドタしてるしドタバタしてるし、何より足音がうるさいから簡単にバレてる。いつも気づかないふりをしていることにあなたは気づいていないでしょう。サンタクロースは存在する。誰の心にも。みんなに平等に。サンタクロースがやってくるのはクリスマスだけではない。なんでもない日に。何かをしてもらったお礼に。サンタクロースは常に大忙しだ。サンタクロースは必死だ。喜ばせようと。その中でもあなたは特にうるさい。うるさすぎる。何も夜にあんなにうるさくしなくたっていい。近所迷惑にもなるし、第一、私が嫌だ。あとは、もう少しマシなものが欲しい。毎回、食べものしかくれない。イヤホンが欲しい、服が欲しいって言っても絶対に食べものしかくれない。それも自分も食べたいもの。あなたのプレゼントはバレバレだ。いつも詰めが甘いからもう見えてるし、それで隠してるつもり?ってレベルでプレゼントを置いている。去年は冷蔵庫の上の方に置いていた。正直、不満しかないし、来年はそろそろ辞めてもらおうかなんて考えている。



今、あなたのものが無くなったこの部屋で、私は1人、サンタクロースを待ち続けていた。
今年はサンタクロースがやって来ない。

おしまい。

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