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ねむる前の、アニメーション-池亜佐美 《USALULLABY》(2013)

ゆったりとたゆたうイルカと、その上をかわいく飛び回るうさぎたち。
白と黒と、ぼんやりと震えるピンクをはらんだ灰色。落ち着く低音。

池亜佐美さんの《USALULLABY》にあるのは、これを見よ!と強引に引っ張る力ではなく、誰かがとなりに座ってくれている安心です。

目に入ってくるたくさんの文字情報、どうでもいいと思っているはずなのに見てしまうものの数々。そんなもので頭が忙しくなっているなあというときにぽやーっとしながら見るのにいいなあと思います。寝る前とか。
細やかに動いているのに静か。
何かに包まれているようなあたたかさが心地よく、大好きな作品です。

作品はこちらからご覧になれます。

作家の池亜佐美さんが書かれたシノプシス(あらすじ)も、詩のようで心地よい。音読するともっと気持ち良い。

大いるかいたわる小うさはふえる。なでられ大いるかねむりにつくか。うなりとうごめく陰陽のなかで、今日もたくさんのひとびとが、良いねむりにつけますように。


【作家について】
池亜佐美(いけ あさみ)
アニメーションと音楽の製作を行う。近年は「ひかるどうぶつえん」(金沢動物園)ディレクターをはじめ、劇場を飛び出し屋外に投影するアニメーションの展示企画と作品製作、ワークショップなども行う。
1987年東京生まれ。2011年東京藝術大学美術学部デザイン科卒業、2013年同学大学院映像研究科アニメーション専攻修了。
作品は広島国際アニメーションフェスティバルをはじめ、国内外で上映されている。



ふくしま空間創造舎 藤田琳


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