うちの爺さんの好きなもの1
うちの爺さんの好きなもの
それは「懐中電灯」である。
どれくらい好きかと言うと
爺さんの首には昼夜問わず常に懐中電灯がぶら下がっており、夜は家の中で電気を付けずに懐中電灯をつけて徘徊。家には数え切れないほどの懐中電灯コレクション。
「いいもの見せてやる」とセリフが飛び出せば、新しく買った懐中電灯のお披露目である。
LEDライトが出た時はそれはもう大興奮だった。高くても買った。
「こんなに明るい」
「ほら、これが昔の懐中電灯、これがLEDの懐中電灯。こんなに違うだろ。」
と長々と語った。
そして、時が経ちLEDライトが以前より安く購入出来るようになると
嬉しくなった爺さんはLEDの懐中電灯を大量に買った。
「昔は〇〇円だったのが、今は〇〇円だ!安くなったな〜」
100均で懐中電灯に出会うとこれまた大興奮。
こんな明るい懐中電灯が100円で買える!と爺さんはお店の在庫がある分全部買った。
な、なんで??
「こんなに買ったって昔の懐中電灯分にもならない。すごい。」
いや、それはわかるけど在庫ある分買う必要ある?こんな同じ懐中電灯あってどうするの…
それは何故か。
好きなものは人に勧めたくなる。人ってそういうものである。爺さんはいいと思った懐中電灯はとにかく大量に買って布教。
まず、家族に配る。そして、私の友達にも渡してくれと配る。
家族に配ったところで同じ家に住んでいる。
そのため、我が家は家の中を3歩歩けば、懐中電灯に出会う懐中電灯の館になっている。
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