09:07の奇跡



恋人がすごい


慌ただしい朝
「え〜っ!もう09:07だ!」

と急いでいるのと同時に
こんなことくらいでも
心の中で自分を責めてしまうわたし

「09:07の◯◯ちゃんも、可愛いね」

彼が後ろからギュッと抱きしめる


なんだ、その余裕は

彼は、わたしがそうやって
自分のダメなところばかりが目について
自分で自分を攻撃してしまうことを
知っている


それにしても予想外の彼の言葉に

思わず顔がゆるんで
ニコーッとなってしまった

なに?そのトンチンカンな発言


「もーほんとやばいねっ、天才!」

なんて笑ってふざけたけど

可愛いといわれたことが嬉しいんじゃない

こんなふうに誰かが包んでくれるって
奇跡に近いような気がして

今までひとりで考えて感じて
解決したようでしてない
日々の焦りや不安

悩みとかそういうのじゃない

結局、すべては日々の積み重ねだから

日常の中で
モヤモヤを言葉にしたときに
そばで、言葉をくれるひとがいる

それがどれだけ幸せなことか


ちょっと変わってる彼に出会えて
ほんとうによかったな


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