暇すぎた昼と一瞬で過ぎていく夜

他者への関心がもたらすが故の無関心じみた態度をされたことに対して、気を取られ人生を無駄にしてはならない。

頭では理解しつつ、実際にそういった態度を取られると私は傷ついてしまうのだ。しかしそんな態度をとられる原因はこちらに起因するのではなく、あくまでも相手側にある。

勿論、数回自分に原因があるのではないかと己に問いただしながら、反省点があるのか探してみることは大切。

自分以外の人間の感情を知ることはまず難しい。そのためにコミュニケーションという手段があるのに、コミュニケーションをとれないであろう相手との関係の改善を求めるのは不可能であろう。そして重要なことは、本当に関係改善を図りたい相手なのか見極めることはではないか。
人は職場、学校のような逃げ場のないコミュニティに属さなければならない時に、嫌味じみた態度をされたり、わざと嫌がらせをされたりするときがある。そんな事とは無縁だったり、心底気にしないことが出来る一部の人間もいるかもしれないが、平気なフリをしてどうにか生きている人間って大勢いるのではないか。

平気なふりをしている者は原因は己にあるのではないかと考える。考えた結果、思い当たることはあれど確実なことがない時、それはほぼ間違いなく、相手側に原因があるのであろう。だから気にする必要はないはず。

世の中に存在する物語の主人公たちを思い浮かべてほしい。例えば学園物の主人公の周りにはかなりの数の人間が存在しているはずだが、主人公達は果たして対自分に向けられた視線すべて対して目を向けているのだろうか。
先日fate/stay night [Heven's Feel]を鑑賞したが(最高でした)その作品に出てくる衛宮士郎の周りには本来かなりの数の人間が存在するが、衛宮はすべての人間を受け入れているように見えてすべての人間を見ていない気がした。もし私が同級生だったら突然学校に来なくなったやつに対して何の感情も抱かない訳がない。少なからず同じクラスの人たちは様々な視線を向けていたと思う。しかし、衛宮にその視線は届いていなかったのではないか。高校生になるころの衛宮はすでに正義に気を取られており、他者からの視線を誰よりも気にしてきたからこそ、一人一人の人間と向き合うことは避けていたのではなかろうか。あ、例にあげる人選を間違えたような気がする。こんな壮絶な人生を送っている人はごく一部かもしれない。しかしあきらめずに続きます。

衛宮にとって慎二は向き合わなければいけない相手だったのか。

衛宮にしつこく絡む凛や慎二はコミュニケーションを要求してきており、それに対して彼は懸命に答えている。これは過去から交流のある慎二に対して、思い出の慎二が彼の中にいたからだろう。今まで向き合わなかった桜に対しては、向き合ってくれて本当にありがとうの気持ち。さてここで厄介な慎二は、どんなに衛宮が答えたころで満足しない。(満足するハッピーエンド世界線ももちろんないわけではないがこの世界線は一度きり)慎二は衛宮に向き合ってほしかったために執拗に衛宮を追いかけてしまう。こんな悲劇はあってはならない。無視する対応をとったとしても逆上し、近寄ってコミュニケーションを図ろうとしても炎上してしまう。とんでもない問題児である。どこか優しい世界に飛んでくれ。
何が言いたいかというと、いくら衛宮が慎二の問題行動を考えたところであいつはどうにもならない。原因はこちらにはない、慎二の心の問題である。しかし衛宮は「俺が悪かった、俺が譲るよ」と、慎二の機嫌が悪いことが自分のせいにする方法で回避してしまっていた。衛宮が慎二に対して行動を改めたところで、慎二の心が変わらない限り、慎二は過ちを繰り返す。衛宮はまたそれに付き合うことになる。

向き合う向き合わないではなく、慎二はやばい奴

もっと早く慎二が狂ってしまっていることに気が付ければよかったのかもしれない。愛想をつかしたて放置した結果、まだかまってもらえないことに怒りを募らせ、どうにか気を引こうとしてしまっていた。本当に桜がいるのでもっと慎重になってほしかった次第。過ちを繰り返した慎二はそれ相応の報いを受けているので結果オーライだけど本当にまた大切な桜ちゃんが危険だったからね。だからね、原因を自分にして放置するのではなく、やばい奴だど認識して放置したらよかったのかもしれない。いや無理だけど。避けて通れないけど。現実世界だったらさ。聖杯戦争がなかったら接触禁止令だしてもらおう。

創作上の物語であれば、何度でも人生は繰り返せる。しかし私たちの次元では人生は一度しかない。他人の心を溶かすルートを探しているうちに己が疲弊して人生を終えては勿体ない。私たち一人一人も間違いなく1つの物語の主人公であるべき。慎二の心はいつか溶かせるかもしれないけど、今回の場合は溶かす価値はなかった。

もし、自分の人生に向き合う必要のない人から向けられる敵意に対して疲れてしまったら、そいつをそっとモブの座に返して。向き合って疲れるべきではない。桜ちゃんのようにもっと向き合うべき人物がいるはずなのでそんな相手に付き合っている時間はないと。凹んでいては勿体ない。元気で楽しい人生を歩もうね。

慎二も幸せになる物語はちゃんとあるからね。それはまた別のお話。







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