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風邪をひいた。落ち込んだ。自分を褒めようと思った。

風邪をひいた。一年ぶりに。学生の頃は熱すら5年に一度出すか出さないかだったのに、社会人になってからは二年に一回は高熱を出すようになった。


「体調管理も社会人の役割」という言葉を何度も耳にするようになって、潜在的に「休めない」という意識が芽生えた。頭が痛くても、お腹が痛くても、生理痛でも、喉が痛くて声が出なくても、熱が出ていないなら会社に行って仕事をするのが当たり前だと思っていた。

フリーランスになって風邪を引いても、仕事がたくさん残っていることが逆に私を苦しめて、熱が出ていなければPCに向かっていた。外に出ることはしないから、ウイルスを撒き散らすことはないし、ね。

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だけど、一昨日引いた風邪は、これまでと少し違っていた。そもそも体調が変化するときはいつも、何かストレスがかかったり、慣れていないことをするときだった。コロナウイルスを心配し、毎日手洗いうがいとマスクは欠かさなかった。夜更かしもしていない。変わったといえば、先月開始したインタビューメディア「.Story」のインタビューで人に会うようになったということ。

もともと引きこもりがちだったから、毎日の生活の中で「人と会う」ということが、知らない間に私の中で超えないといけないハードルだったのかもしれない。

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落ち込んだ。こんな「人と会う」ということだけで、たったそれだけのことで、体調が変化するほどダメージを受けていたなんて。

基本的に風邪を引くときは扁桃腺が思いっきり腫れるのだけど、幸い、夕方ごろに徐々に喉が痛みはじめて、夜にはすでに唾を飲み込んで違和感があるほどウイルスは進行していた。

悲しかった。ああ、風邪ひいた。自己管理が足りない。落ち込んだ金曜日の夜、土日はしっかり予定が入っていたけれど、ギリギリまで悩んで、大変申し訳ないけれどリスケ願いの連絡をした。コロナやらインフルなどで世の中が騒いでいる中、ウイルスを撒き散らす方がドタキャンよりも失礼にあたると判断した。

全員優しく「大丈夫です!」と連絡をくれたのだけが唯一の救いで、もう頭の中では「どんな罰を受けてるんだろう……どこで何をした罰なんだろう……」と呪文のように唱えるばかり。

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ただ、一つだけ、新しい発見ことがあった。

オフィスに通っていた頃は「風邪引いた……けれど、出社した自分偉い!」とまで思っていたけれど、「風邪ウイルスを持ったまま出社して、誰かにうつしてしまうかもしれない」とまでは考えたことがなかった。

今回は「ドタキャンVSウイルスをばらまく」という構図を作ったことで、相手のことを考えられるようになった。というか、自分だったらどっちがいいだろう?と考えられるようになった。

もちろん、風邪をひいて2日目の今日も、まだボーッとしていて頭痛がするし、思うように仕事が捗らないので「何やってんだ自分」と自己嫌悪に陥っているけれど、ちょっと、ほんのちょっとだけ嬉しい自分もいる。


大人になってから「ああ、自分、成長したな」と感じることは少ない。だから、風邪が治って、リスケしていただいたすべての方に頭を下げ終わったら、少し自分を褒めてあげよう。

そして、もっともっとたくさんの人に会おう。この風邪を無駄にしないためにも。