モモンガ

モモンガ

最近の記事

「神様のいるところ」第3話

衝動 「おい」 一瞬誰かに呼び止められて背筋が凍った。 「誰だ」一瞬で俺も防御を固める。 「ここには普通の学生しか来ないと思っていたが、お前のような奴もいるんだな」 同じ神の使い…?いやこいつのオーラからは人間の匂いがする。 「俺は妖のきつねだ。神の使いがいるとは驚いた。ここはお前がくる場所じゃないだろ?」 俺は一瞬で察した。あぁこいつは妖だ。見た目は普通の学生だが人間の匂いをつけていたから分からなかったんだ。 「妖がこんなところにいるとは俺も驚きだ。種族がバレるのはお互い

    • 「神様のいるところ」第2話

      入学 緊張の面持ちで教室に入る。 (ガラガラ)田舎だからかドアが古い。 離れた地域だから知らない子ばかりだ。 教室に入っても誰もこちらを注目して見てこない。 悪目立ちしなくてよかった。 注目されない方が居心地がいい。中学の時にはできなかった普通の生活が過ごせそうだ。目立たず、普通の学生になりたい。もしそれが叶ったら憧れだった普通の青春がしたい。俺は密かに胸を踊らせて席に着いた。 担任が入ってきて自己紹介、入学式、その他諸々説明をし始めた。担任が説明している最中も教室は騒が

      • 「神様のいるところ」第1話

        あらすじ この世には代々伝わる神様の家系があった。 神様の家系に生まれた男の子“阿修羅“は普通の学校に 通っていた。周りには自分が神の家系であることは話してはいけない決まりがあった。その掟を守りながらも青春を過ごしたい、そんな憧れを持ち高校デビューする話。 序盤 今日から高校生活が始まる。俺は少し憂鬱だった。 俺は生まれた環境が特殊だった。神様の力を受け継いだ神社に生まれた俺は“阿修羅”と名付けられた。 神社には年中お祈りをしに多くの人が訪れる。 俺の家系はそのお祈りを

      「神様のいるところ」第3話