おみくじで凶を4回引いた女の1年振り返り


1月 おみくじで初めて凶を引いた
浅草寺なので仕方ない
その後他の神社で何度か引き直すもトータル4連続凶
あまり良い気はしないが年末年始で美味しいものを沢山食べ体調もすこぶる良かったので大吉だと思った

4月 父が亡くなった
子供の頃から二人で過ごしてきたので信じられないくらい喪失感があった
コロナ禍で面会が出来ず最後に会ったのは入院時になってしまった
お花見しようと約束してた少し前に緊急入院となってしまったけど待合室から見える桜は綺麗だった
来年また花見出来るよな?と父
私は来世を信じてるからまた絶対に出来るよ

その日連絡があり21時頃病院へ向かった
向かう道中はまだ叩き起こす気満々でいたが部屋に入って父を見た途端全て理解して諦めてしまった
コロナ禍なので病室には一人しか入れない
一人で沢山泣いて父の手で頬を撫でて貰った
遺体を綺麗にしてくれるとのことで一旦病室を後にしまた病室に戻った頃には死後硬直が始まっていた
もう頬を撫でてもらうことは出来なかった

10月 祖父が亡くなった

入院したと聞いて祖母と二人で病院にお見舞いにいった
いつもは必ず父がいたので祖母と二人で出掛けるのはこれが初めてだったので新鮮だった
病院についてすぐに先生から
1時間前に心肺停止したと聞かされた
また間に合わなかったと思った
以前何かで聴力は最後まで残ってるというのを聞いたことがあったので沢山感謝した
爺さんのおかげでこの世に産まれてこれたよ、幸せだよ、ありがとう
少し心電図が反応した
父が亡くなったことを知らせないまま祖父も亡くなった

父の手続きが終わったばかりだったので今度はスムーズだった
こんなことに慣れたくはないが少し慣れたおかげでゆっくり悲しむことが出来た
ゆっくり悲しむことが出来るのは良いことなのか?分からない
けど大切な感情なのだと思う
父の時は確かな悲しみに気付くまで何ヶ月もかかった
喪失感 後悔 安堵 絶望 虚無
大きな喪失感と心の隅にある確かな後悔と後ろめたさでほとんどを占めていた

もうアルコール依存に苦しまなくていいんだ
開放されたんだ
自分はよくやったはず、大丈夫、間違ってない
これでよかったんだ、終わったんだ
本当にそうかな?
もっと何か出来たんじゃないか?
でももう終わったことだから
もう会えないの?
なんか人生半分終わっちゃったな〜

ほぼこれだけの気持ちで数ヶ月過ごし本当にもう会えないと理解したのは半年が過ぎた頃だった

12月 20年振りに母と再会した
幼少期に両親が離婚してから祖母 母 妹と4人で暮らしていた
ある日下校途中に父や父方の親戚達に連れ去られタクシーでそのまま向かった先が私の地元となる
そのまま母と妹とは大人になるまで会えなかった
その母と再会した
母とはいずれ会えるものだとずっと思っていたので寂しかったり片親だという認識はあまりなかった
父が亡くなった時当然すぐに会いにくるものとばかり思っていたのに母は来なかった
離婚して初めて自分にはもう親がいないんだと認識した

父の死から8ヶ月後
母から連絡があり会うことになった
嬉しかった

現実味のないまま電車に揺られ懐かしい最寄り駅につく
屋根の無い古い駅のベンチで祖母と二人見た入道雲をよく覚えている
キジバトの鳴き声
背の高い木々
20年振りにきた駅は新しくなり屋根がついてもう空は見えなくなっていた

遠くに母の姿が見えた
遠目でも一目で分かった
久しぶりに母の手料理を食べ大好きだった祖父のお墓参りにいった
私がこの町から連れ去られたあの日
たまたま通りかかった祖母と父方の親戚たちとで私の引っ張り合いになったのを鮮明に覚えている
痛い!と言った時手を離したのは母方の祖母だった
それ以来その道を通れないことを祖母は泣きながら話してくれた
帰りは車で送ってもらい沢山話をした

一番の被害者は自分だと思っていた
家庭が崩壊し離婚したのにアルコール依存の父のもとに一人残されまるで夫婦のように支え合って育ってきた
母は再婚し幸せに暮らしている
自分が苦労すればするほど、ママよかったね、別れて本当によかったよ
と思う反面私たち子供のことを思って離婚したはずが何故こんなことに?とも思っていた
その母が 離婚したことは後悔してない、あのまま一緒にいたら死んじゃってたと思う
と言った
その父と私は大人になるまで二人で暮らしたのだ
その後母は私がいなくなってからの生活を話してくれた

日常から突然姉が消えた妹は毎日寂しくて泣いた
母は精神を崩し子育てが出来なくなった
そんな中知人に喝を入れられた母は妹を一生懸命育てることに集中した
妹はある日を境に蓋をしたように泣かなくなった
私はというと新しい環境に慣れることに必死で寂しさは感じていなかった
それどころか友人と遊んだり下校途中に駄菓子屋に行ったりすることが新鮮でとても充実していた

母の話を聞くまでその後の生活を想像することすらしたことがなかった私はその事実に自分でも驚いた
何故ただの一度も考えたことがなかったのだろう?
家族の一員が突然いなくなる気持ちが何故分からなかったのだろう?

妹は今映像制作の仕事をしている
私と離れた妹は本を読んで私のことを毎晩想ってくれたそう
有名になったら姉に会えるかな?そんな思いから今はこの業界にいる
ま、私が見つけてやりましたけどね(それはまた別のお話)

振り返りなのに話脱線しすぎ長くなりすぎだけどこの間に

叔母(父の姉)の半身不随
従姉妹の胆嚢に穴があく
親戚たちとの絶縁

なんかも経験しておりしっかり凶でした


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