089.ムルジムの黒い軍団と妖精ちゃん [Ac アクチニウム] [双子座29度]

あ〜〜、嫌なものを見てしまった。

最近の僕って、嫌なものばかり見てしまうんだよね。


なんか背中に黒い羽の生えた奴らが、上空からわらわら集まってくるんだ。やたらに大きい羽で、黒くて、厳つくて、いかにも悪そうな奴ら。街で会ったら絶対目を合わせないようにするよ。

そいつら、集団行動なんて向かなそうな感じなのに、地上に降りると羽を折りたたんで、軍隊みたいに正確な列を組んで、ズッズッズッズッと進んでいく。3・3・5・・・みたいなキチッとした配列。

オルゴールの針みたいだ。あらかじめ決まったところにピタッと配置されましたって感じで。ズッズッズッズッと迫ってくる。なんでもムルジムの黒い軍団ていうらしいよ。

ああ〜もう、嫌な感じしかしないでしょ?



僕だってできることなら、可愛い妖精ちゃんたちの、キュートなダンスパーティーが見たい。花の香りがする妖精ちゃんたちに、僕はなぜかモテモテ。イカしたダンスを披露して、とびきり可愛い妖精ちゃんに「あなた素敵ね♡」とか言われたりして、「いや、きみの方がチャーミングさ」とか言ったりして。

「こんなパーティ退屈だろ?一緒に抜け出そうぜ?」ってな台詞で決めて、彼女の手を取り、果てしない宇宙の旅へ連れていくんだ。

ふたりは永遠の恋人になる。甘いメロディーが包み込む、スウィートな恋のストーリー…。



そういう話がしたいね。



なのになんで黒い軍団なのよ!?

なんとかならないの、これ!?



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