アイドルの声を心配するファンにも信仰集める京都の神社
「京都祇園もも吉庵のあまから帖」シリーズの第6巻で、「喉の病」にご利益があると言い伝えられている「おせき社」のことを描きしまた。
本文より、抜粋します。
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「稲荷山の中腹にある『おせき社』のことや」
「名前だけは聞いたことありますえ」
もも吉は何度か「お山巡り」をしたことがある。しかし、頂上を目指すことばかりに気が向いてしまい、途中にある社にあまり記憶がない。
「それがな、うちの檀家で喉にポリープがでけて、声が出にくうなったいうお人がいてなぁ。『おせき社』に願掛けしたら、手術が上手くいって声がスーッて出るようになったていうんや」
聞けば「おせき社」は、その昔、頂上への関所の役割をする「お関稲荷」と呼ばれ崇められていたらしい。ある時、喉が嗄れた歌舞伎役者が立ち寄り参拝したところ、喉が治ってしまった。そこから「関」から「咳」に転じ、喉の病にご利益のある神様ということになったという。
小さな社だが、「おせき大神」と赤地に白く染め抜かれた幟がいくつも掲げられている。屋根のついた参拝所の木柱には郵便受けが二つ、供えつけられていた。一つは、「お願いのハガキ」を入れるもの。もう一つは、願いが成就した人たちからの「お礼のハガキ」を入れるものだ。遠方であるため、あるいは病気のため訪れることができない人々のための配慮だと思われた。
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そうなんです。
祈願の手紙やハガキが、お社の郵便受けにたくさん入っているのです。
郵便局の配達員さんが、はるばる1時間も登って届けに来るのか。
それとも、伏見稲荷の社務所の人が、届けに来るのかはわかりません。
でも、喉の病のご利益があると聞きつけて、郵便で祈願する人たちがいることに驚きました。
本当は見てはいけないのでしょうが、そのハガキの一つがチラリと見えてしまいました。
(ホントに見ようとしたのではありません。ごめんなさい)
そこには、ある男性アイドルの名前が書かれてありました。
「○○君の声が元通りになりますように」
ファンからのものとわかりました。
なんと健気なことでしょう。
私も喉が弱いので、風邪をひくといつまでも咳が残ってしまうので、
心を込めてお祈りして来ました。
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